第21話

朝起きると、アキは眠っていた。

まだ眠っていてまだ私の肩に顔をうずめていた。


アキの寝顔を見ながら思った。

まつげの長さがタクミくんと似てる。

そしてまつげににそっと触れた。


「なに?」

アキが起きた。

「なにしてんだろ、私。」

「私じゃなくて、私達じゃねえの。」

っふ。

私は笑ってしまった。

アキは少しそれを不満そうに見た。

「なんで笑った?」

「アキもちょっとそういうこと思うんだ。」

「お前の顔見てるとそう思った。」


アキは起き上がりシャツのボタンを留めた。

寝癖になった髪の毛を少しクシャクシャと掻き、私の方を見た。

「アズ、あいつのことしっかり好きなんだな。」

「うん。」

「じゃあ、なんで俺とキスすんの?なんで俺とヤるの?」

アキの顔が真剣で、私の目をしっかり見てた。

「なんでって。」

「お前軽いの?」

「軽くなんか・・・ないでしょ。」

「・・・そうかよ。」

「なんでアキは私とヤるの?」

「・・・。」

アキの手が私の頬を包む。優しく、長い指で撫でてくる。

「言わないの?」

「・・・お前が可愛いからじゃん。」


胸がドキドキした。

アキの指が頬から首筋になめらかに移動する。

顎を押さえ、唇に触れる1本の指。

「その顔も、喘ぐ声も、カラダも、全部がかわいい。これじゃだめ?」

アキの手は私の服の中に入ってくる。


「しないよ。」



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