セックスがなに

minamin.E

第1話

「ねえ、なにしてる?あそぼうよ」

と、小学生の頃からの親友は言う。

「いいよ」

私も迷うことなく返事をする。



 小学生の頃は一緒に学校に行って、一緒に学校から帰ってきて遊んでいた。

中学生になると、親友のアキは無口になった。小学生から続けていたサッカー部に入り、部活の子らとばっかり遊ぶようになって、あまり遊ばなくなった。

でも、学校は一緒に行くし、会ったら話す。

家にはお互い行き来していた。ご飯がなかったらアキん家に行くし、アキもうちに来る。そんな関係だし、そんな感じだった。

私は、部活には入らなくていつもアキを教室で待ってた。

普通に友達はいるが、女の子と遊ぶのは苦手で、いつも帰らずに図書館にいたりした。

そしたらアキが図書館まで迎えに来てくれる。

アキは私に友達がいないと思ってるから仕方なくといった感じで。

私はアキといるのが当たり前で一緒に帰るのも当たり前なんだ。


アキはどう思ってるのかな。とかたまに考えた。


卒業したら、別々の高校に入学した。

朝たまにアキのことを見かける。

「アキ~おはよ」

「おはよ」

アキはそっけないけど、笑う。

「お前さ、スカート短すぎな」

「別にみんなこんなんだよ」

「そうなんだ。パンツ見えそ」

「きわっきわwww」

と私は言った。

同じ方向の高校なので一緒に電車も乗る。

毎日一緒に行くことはなくなったけど、会うといつも一緒に行ってくれる。


アキは高校に入ってよく女の子と一緒にいるみたいだった。

私も友達はいる、ふつうに仲もいいし遊びに行ったりもする。

けど、アキと遊びたい。

なにもしなくていいんだ。いるだけでいいのに。

ずっとどっちかの家にいて、どっちかの部屋でゴロゴロするみたいなの。

それで十分なのに、アキは忙しい人になった。

そしてアキに彼女が出来た。


アキは、高校に入ってモテはじめた。

彼女は可愛いし、イケてる感じのおんなのこだった。

帰りの電車で何度か見かけた。


いいなぁ。アキ、優しそうだな。

手なんか触ったりして、いいなぁ。

と思いながら見てた。



その日の夜、アキが家に来た。

「アズ、いる?」

アキがお母さんに聞いてる声がした。

「2階にいるよ、でも寝てるかも」

「じゃあ2階いく」

「寝てたら起こしてやって」

「うん」


トントントン。

アキが階段を登ってくる音がする。

「アズ」

アキがドアを開けて入ってくる。

「おお、アキ。久しぶり」

「おう、そだな」

私はベットに転がって本を読んでた。

アキがベットに座る。

「アズ」

「ん?」

「俺さ、彼女できたよ」

「知ってる」

「え?まじ?」

「うん、見たもん」

「どこで?」

「電車」

「そっか」

「かわいいね」

「うん、かわいい」

「・・・・・・・・・。」

「なんだよ」

「よかったね」

「え?」

「彼女できてだよ」

「うん、まあね」

「・・・・・・。」

「・・・・・・・。」

「・・・・・。」

「アズ、、」

「なに?」


「俺とセックスしてくんない?」



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