初恋

枯れ尾花

初恋

俺が何故、彼女の事を好きになったかを語らなくてはこの物語は進まないだろう。一ヶ月前、俺こと高橋裕紀は通っている高校の帰り道、名前は分からないが同じ高校の彼女が、ダンボールの中に入った捨て猫に餌をあげているところを目撃した。彼女が何故同じ高校だと分かったのかというと、俺の通っている高校の制服を着ていたからだ。そんな彼女は俺に気づくことも無く猫と笑顔で戯れていた。一目惚れだった。



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私の名前は齋藤凛。私が何故、高橋裕紀のストーカーになったのかというといってしまえば一目惚れだった。最初のうちは彼の教室の机を触りにいったり、彼のTwitterを監視したりなどだったのだが、最近は彼への愛を抑えられなくなり、下校する時に彼のストーカーをすることが日課となっている。家も彼と同じ方面だし、これって運命だよね。




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俺は友達に彼女の特徴などを聞いたが誰も知っている人はいなかった。どうしても彼女に会って話がしたいと思ったが、あれから猫に餌をあげている姿を見ていないので、次あったら絶対声をかけよう。そういえば、最近誰かにつけられている気がする。自意識過剰だと思うのだが、少し気になるな。




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私が日課である彼のTwitterの監視をしていると、彼が最近気になる人がいるという内容の投稿がされていた。許せない。私がこんなに愛しているのに。その女が許せない。




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俺の学校で物騒なことが起きた、一人の女子生徒が殺された。まだ情報が出ていないので誰が殺されたか分からないが、あの子じゃなきゃいいなと心の底から願っていた。




そう思って歩いていると、向こうから彼女が歩いてきた。彼女は俺が一目惚れをしたあの少女だった。ここで話しかけなければ男じゃない。俺は勇気を振り絞って声をかけた。

「あの.......」

「.......はい」

「名前なんていうんですか?」



















「齋藤凛といいます。」




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初恋 枯れ尾花 @nonokajt

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