第6話 悪我識魔王って名前は作者が考えました

 夢裏は魔王を見つけるために策を練った。

「空裏、あたしが悪我識魔王の刺客を誘き寄せるから、刺客があたしを殺しに来たら、あたしのことはかまわずに、刺客の後を尾行して、悪我識魔王の部屋を見つけて」

 と、夢裏は空裏に頼んだ。

 夢裏は、

『我は魔王より強く、魔王より幸せなものなり』

 と大書して自分の部屋の前に貼った。

 夢裏の挑発が決まり、魔王の議事堂では、悪我識魔王より幸せな者が存在してはいけないとされて、夢裏を殺す刺客が放たれた。

 刺客は、魔王の幹部の毒主である。

 夢裏は自分の寺部屋に入り、刺客が誘き出されるのを待った。

 空裏は、作戦通り、夢裏を殺しに来るものを尾行するために、夢裏の部屋を監視できる場所に隠れた。

 そして、毒主がやってきた。毒主は、毒を創造した者である。毒については詳しい。

 毒主は、書道の大書が貼られている夢裏の部屋に入ると、中に居た夢裏と間合いを取り合った後で、毒の刃で夢裏を刺した。

 空裏は、それを隠れて見ていた。

 夢裏は倒れて動かなくなったが、空裏は夢裏の救助より目的の実行を選んだ。

 空裏は、計画通り、刺客である毒主の後を尾行した。それを夢裏も望んでいたはずだ。

 毒主は、まっすぐに悪我識魔王へ暗殺成功の報告に向かい、悪我識魔王の部屋へ行った。

 空裏は、それによって、悪我識魔王の部屋を発見した。

 空裏は、転輪童子が二年かけても見つけられなかった悪我識魔王の部屋を見つけたのだ。

 悪我識魔王に謀略を仕掛けて成功させたのは、夢裏だった。

 夢裏は、ずっと魔王より強い者を探していた女の子で、空裏なら魔王に勝てるかもしれないと踏んでいた。

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