第13話

あの日、偶然にルイと会ってしまった。

2年ぶりだろうか。連絡もとっていなかったし、会うのを避けてた。地元に帰る時もルイと会わないようにしてた。まだ会う覚悟ができていなかったし、こわかった。

でも「タロウ」と呼ばれた声が何度もリピートした。

ルイがまた可愛くなってた。SNSで見たりはしてたけど、実際に見たらすげえ可愛かった。

ジョーとルイがこっちにきて1年。ジョーとは何度か会っていた。でもお互いなぜかルイの話は避けているような気がした。だけど、一度だけ話したことがあったジョーのバーで。。

「タロウ、お前ルイとちゃんと話したの?」

「ああ、それね、、」

「なに?話してねえの?」

「できなかったんだよ」

「はあ?ああ、まじか」

「時間がたてばたつほど、もう忘れてんじゃねえかな、、とか」

「4年たってんな、いつのまにか」

「そうなんだよな、、4年っつー、、な」

「でも、あん時さ、両想いだったろ」

「俺の片思いだよ」

「いや、俺はちげえと思うな」

「なんで?」

「俺、ルイとずっと一緒いるもん。お前より」

「ちょっと妬けるわww」

「はは、だろwww」


 タロウと2年ぶりに会った。もう会えないと思ってたタロウと偶然会った。

背中を追いかけてる時、何度も心でタロウを呼んでみた。

すごく近くまで追いついたが、中々声を出せなかった。もう手が届きそうな距離。

後ろについて歩いた。その距離のまま信号を2つも渡ったのは、恥ずかしくて言えない。

「タロウ」と呼ぶと、びっくりして振り向いた。

その後、なにを話したかなんて覚えていない。タロウが目の前にいるのが嘘みたいだった。

ジョーの店に行った。

「ジョー!!ジョー!!」

「は?なに?」

「さっきね!タロウに会った!!」

「おお、まじ?」

「うん!!!2年ぶりだよ?!」

「で、どうだった?」

「え、、?どうって?」

「そのまんまだけど」

「え、なんでそんな冷静なの?!」

「え?」

「え?だってタロウがいたんだよ!!もっとびっくりすりないの?」

「いや~さ、俺知ってたんだ。タロウがこっちにいることも、この辺にいることも」

「っはあぁ??」

「ごめんルイ」

「なんで!!!!!」

「あいつが絶対言うなって。俺らって案外付き合い長いじゃん?なんとなくアイツにも色々あるんだなって、、、俺、ちゃんと誰にも言わなかった」

「そっか、、。ジョーえらいじゃん」

「ごめんルイ」

「ううん、ジョーのそういうとこがすき」

「っはっは。だろ?」

「調子にはのるな」

「で?どうだった?」

「どうって?」

「タロウだよ」

「え、、かっこよかった」

「っふ。なんだそれ」

「ちょっとドキドキしちゃったわ」

「会う約束したの?」

「してない」

「しろよ」

「う~ん、、そのうちする」

その日は、ジョーのバーでかなりお酒を飲んだ。

ジョーが「もう帰れって」て何度も言ってたのを覚えてる。

でも私はジョーが終わるの待ってると言って本当にずっとカウンターに座ってた。

「ルイ、帰るぞ」

「え?閉めた?」

「閉めた、お前のせいでもう閉めた」

2時だった。

ジョーとはこっちに住んでも家が近くだ。歩いて5分。

私がふらふらと歩くからジョーが怒った。

「お前さ、ふらふら歩くなよ」

「別にふらふらしてないし」

「してるし」

「うん」

「そんなに飲むなよな」

「俺いなかったらどうすんだよ」

「いるじゃん」

「いまはいるけど」

「ジョーの家で寝る、きょう」

「は?」

「明日遅番だから、起こしてよ」

「またかよ」

と言ってジョーの家で爆睡した。

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