猛毒会議

「街中大混乱ね」

「そうだな・・・働いたかいが有った」

「ビールでも如何?」

「いや、 遠慮しておくよ」

「余裕そうだな、 お前達」


イエローストーンの郊外で集まるフグとその仲間達。

スシトルーパーと共に侵入して来たフグだったが

予めイエローストーンに潜入させていたスシブレーダー達にも指示を出していたのだ。


まずフグはイエローストーンで残っている者達の中で

一番強いであろうトゥーンウィの始末に向かう。

これは失敗したがあくまでトゥーンウィの目を逸らす陽動の意味が有った。

本命はO5-1の暗殺、 スシトルーパー全てを投入したがまさか失敗するとは思って見なかった。

サブプランと用意していた水源や食料への毒の混入のみが上手く行った。

フグのスシブレードフグ肝は闇の力で殺傷能力が尋常じゃ無く上がっている。

そのフグ肝を少しでも混入すれば即死レベルの超猛毒になるのだった。


「スシトルーパー達は残念だったけど大打撃を与える事が出来た

やみちゃんが居なければ全滅も夢では無かったが・・・まぁそう上手く行かないか」

「こっちもホット&コールドブラザーズがやられたけどね

残りはヤミマスターがビアと鞘とアリアリの三人

ヤミアプレンティスが私とハイボールの二人、 戦力としては不安が残るわね」


トリニティが物鬱げに言う。


「但し攪乱としては充分有効だと思う、 私達はここに待機

ダークネスシ帝国の本隊が来たら行動を起こすとしましょう」

「そうですか、 まだまだ働くと言う事か・・・」

「では見つからない様に市井に紛れていてね」

「了解しました」


皆、 解散した。


「さてと・・・私も行くか」


フグは大聖堂に向かおうとする。


「フグ殿、 何方に?」


鞘が尋ねる。


「スシトルーパーの遺体を回収しに」

「何の為に?」

「・・・・・」


黙るフグ。


「お気持ちは分かりますが、 余りにも危険ですしここは抑えて下さい」

「気持ちは分かる? 私が何を考えているか分かるって言うの?」

「え、 えぇ、 腹心の部下を失って悲しいかと・・・」

「あぁ、 そう言うんじゃないよ、 私達は暗殺者

何時かは死ぬ事が決まっているわ」

「ならば何故・・・?」

「私のスシブレードがまさかただ毒が強い毒寿司だと?」

「違うのですか?」

「まだまだ隠し玉が有るのよ・・・」


にやり、 と笑うフグ、 そしてふっと消えた。


「流石はスシの暗黒卿、 という所か・・・」


鞘がぽつりと呟いた。


「お義父様、 そろそろ行きましょう」

「そうだな、 ビア」


そう言って彼等も立ち去ったのだった。

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