最終手段

バルド達がイエローストーンに戻って来た頃には大騒ぎになっていた。

兵達がフグ毒で重篤な状態になっている者達や路上で死んでいる者達を運んでいた。


「これは・・・一体何が・・・」

「来たかバルド!!」


マオとタオが走って来る。


「御二方これは一体・・・」

「敵が水や食べ物に毒を混ぜた様だ・・・」

「何だって!?」


驚愕するバルド。


「レーア嬢、 O5-1が至急集まって欲しいとの事じゃ・・・」

「分かったわ・・・」


タオの言葉を聞いてレーアは支度もそこそこに議会場に集まった。

そこでは大勢の代表達が議論が紛糾していた。


「イエローストーンの市民の二割、 軍部でも一割の人員が猛毒で死亡

同数の人々が辛うじて生きていますが介抱を必要としています!!」

「毒の除去には甘く見積もっても半月の時間がかかります!!」

「半月も経ったら敵が来るぞ!!」

「復旧までの水と食料は如何する!?」

「確保は厳しい・・・」

「死体と病人を如何するかが問題だ・・・介抱と埋葬にも人員が・・・」

「まだスシの暗黒卿が市内に居るかもしれないから巡回も・・・」


議論は困窮していた。


「このままでは敗北は必至です!! O5-1!! どうなさるおつもりか!!」

「・・・・・」


O5-1は重苦しい表情を浮かべた後に一つの言葉を発した。


「君達、 この世から消え去る覚悟は良いか?」

「それは全面降伏と言う事ですか?」

「まさか、 この状況を打開できるかもしれない物が一応は存在する

それを使えばこの状況は愚か闇のスシブレーダー達の問題も解決出来るかもしれない」

「なんで今までそれを使わなかったのですか!!」

「あくまでかもしれない、 だから、 確実に全てが上手く行くとは限らない」

「可能性があるのならやるべきだ!!」

「いや、 そうじゃないんだよ、 失敗しても成功しても我々は消え去る」

「どういう事ですか!?」

「良いだろう、 話そう・・・だがしかし君達、 この話を聞いた後では

最早後戻りはできない事を覚悟して貰おう」

「・・・・・・・」


議員達は顔を見合わせた。


「やるしかないでしょう!!」

「そうですとも!! このまま座して死ぬ訳には行かない!!」

「分かった、 なら話そう」


O5-1は最後の手段について話し始めた。

その内容は憶測を含んでおり希望的観測も有ったのだが信頼性も有る話だった。


「・・・・・・・以上で話は終了だ」

「・・・・・それでO5-1、 一体誰がそれを使うんでしょうか?」

「今一番、 何とかする可能性が有るとすれば・・・」

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