出撃準備

葬儀も一段落して皆が帰ろうとした頃に事は起きた。


「お前達!! 何でウィンドゥさんを一人にしたんだ!!」


序列二十八位『カットラス』のエズラが

シャアク、 ティン、 コーラー、 フィストーを叱責する。


「エズラ、 気持ちは分かるがここは葬儀の場だ

静粛にしろ」


序列十三位『マチェテ』のジャラスが諫める。


「しかし!!」

「そうそう、 死者を弔う為には叱責よりも行動だろう」


序列二十位『大鎌』のタパルが言う。


「行動?」

「仇打ちだろう」

「その案に全面的に賛成いたします!!」


序列七十八位『フィランギ』のサーが声を上げる。


「是非ともその仇討ちには私をお使いください!!」

「いえ!! 是非とも私を!!」


下位の剣聖達がわいのわいの始める。


「やめないか騒々しい!!」


テタが諫めた。

剣聖達は一斉に跪いた。


「確かにウィンドゥを倒した者は気になるが

それに気を取られ過ぎて浮足立つのは良くない、 ヨーダ」

「はっ」


序列一位『聖剣』のヨーダがテタの傍による。


「ウィンドゥの仇討ちの為の部隊編成はお前に任せる」

「了解しました、 つきましては国軍を動かす許可を下さい」

「ふむ、 どの程度だ?」

「一個中隊を」

「なっ・・・それだけで立ち向かうと!?」

「良かろう」


ソーラの驚きの声を無視して話は進んだ。


「無謀です!! 剣聖でも無い者に戦えると」

「誰が戦わせると言った?

一個中隊を捜索に向かわせる、 そして」


剣聖達は一斉に戦慄した。

猛烈な殺気!! この小柄な老人であるヨーダから溢れ出る殺気!!


「見つけ次第、 ワシが叩っ斬る」

「それには賛同しかねますな」


序列五位『薙刀』のオポーが立ち上がる。


「ワシの作戦に異議が有ると?」

「怒って居るのは貴方だけではありませぬ」


ぴしり、 と殺気で窓ガラスに罅が入る。


「御言葉ですがヨーダ殿、 敵は3人との事、 私も同行しましょう」


序列六位『ケペシュ』のクワイも立ち上がる。


「剣聖上位陣が3人・・・相手が四天王でも充分に打ち勝てますな」

「あぁ・・・これは勝った・・・」


剣聖達が騒めく。


「良かろう、 ではヨーダ、 オポー、 クワイ

ウィンドゥを殺した者の首を取って来い!!

他の者達はここで待機せよ」

「「「了解いたしました!!」」」

「では者共解散!!」


剣聖達はその場を立ち去った。


「妙な事になりましたな、 ソーラ殿」

「そうだな、 ジェンパ殿、 如何する?」

「待機命令が出ている・・・ん?」


普段城下町に居ない剣聖達がテタに詰め寄る。

如何やら滞在場所の交渉らしい。


「連中は大変だな・・・」

「そうだな・・・」

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