ナイフと短刀

カスタードが倒された頃、 トゥーンウィが左翼に向かっている。


「やみちゃんがこっち来てます!! ビッグナイフ様!! どうしますか!?」

「落ち着けお前達、 とりあえず邪魔だから本陣に戻って置け」

「は、 はい!!」


周囲からスシブレーダー達が退避してビッグナイフが自分の得物を取り出す。

大きな押し寿司である、 両手の掌を合わせた大きさよりも大きい。

その押し寿司を射出する。

押し寿司は回転を開始する、 暫くするとトゥーンウィがやって来た。


「来たか、 喰らえ!!」


押し寿司から射出されるナイフ!!

これがビッグナイフの名の由来の仕込みナイフである!!

押し寿司の中にナイフを仕込んでいたのだ!!


「・・・・・だーく・いたまえとくらべたらうんでいのさだね」


トゥーンウィは冷静にアイスクリームを取り出して迎撃する。

しかしナイフはアイスクリームを貫通する!!


「!?」


咄嗟にトゥーンウィはナイフを腕で防御する!!


「ふっ、 俺の本名を教えてやろう」


ビッグナイフがぽつりと語り出した。


「俺の本名はソーラ・パルク!! 元鶴帝国の八十八剣聖の一人!!」

「はちじゅうはちけんせい・・・」


鶴帝国八十八剣聖とは今は亡き鶴帝国最強の八十八人の剣の達人の事である。

剣の達人とは言っても鶴帝国では『相手を殺す物ならば全て剣』と言う理屈で

剣とかけ離れた武器を使う物でも列名出来た称号である。

それぞれ聖剣と呼ばれる鶴帝国の技術力で造られた武器を持っている。

特に何か能力が有る訳ではない、 刀で言う所の名刀と言う称号の様な物である。


「お前が防いだのは聖剣『短刀』、 並の剣の鋭さではない」

「・・・・・で?」


溢れ出る血を凍らせて止血するトゥーンウィ。


「ふっ、 流石にこの程度は防ぐ、 か」

「きみのせいけん、 だっけ? はこっちにある、 どうするの?」

「安心しろ、 俺は鶴帝国からダークネスシ帝国に寝返った時に

殺した剣聖から聖剣を奪い取った、 お前に刺した『短刀』も奪い取った聖剣の一つ」

「かりぱくってやつ?」

「殺したから強盗殺人だな、 俺の聖剣はこれだ」


ビッグナイフが取り出したのはその名の通り大きなナイフ二本だった。


「・・・・・このたんとうとどうちがうの?」

「これからたっぷりと教えてやるよぉ!!」


ビッグナイフは押し寿司を突撃させながらナイフを構えて突っ込んで来た!!


「・・・はなしにならない、 こおっておしまいよ」


強い冷気がビッグナイフとスシブレードに襲い掛かる!!


「無駄だ!!」


ビッグナイフがナイフを投擲した!!

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