美人のソルジャースシ

ぽりぽりと大豆を食べながら適当にサンダリ牢獄の周囲をうろつく豆巻き。

塀の中では息が詰まると外に出て来たのは良いが大して気晴らしにもならない。


「あぁ・・・何か面白い事無いかな・・・」

「あのー・・・マスター豆巻き、 よろしいでしょうか?」

「あぁ?」


豆巻きが振り返るとソルジャースシが一人居た。


「ソルジャースシか」

「はい」

「その声・・・女か」

「えぇ・・・まぁそうなんですが・・・」

「ふぅん、 顔を見せて見ろ」

「・・・・・・・・」

「如何した?」

「・・・・・何を見せろと?」


ソルジャースシが近づく。


「顔だよ顔」

「顔・・・ですか? マスター豆巻きとは初対面ですが・・・」

「美人か如何かを見るんだよ」

「こ、 こんな明るい所でですか?」

「は?・・・・・あぁそう言う事ね」


豆巻きの下心が発動した、 彼は十八禁な事を想像したのだ。


「まぁ、 とりあえず顔を見せて見な」

「え、 えぇ・・・では・・・」


ソルジャースシは近付いてヘルムを外した。


「おぉ、 美人さんじゃないか」


ソルジャースシはヘルムを被った。


「まぁ美人なら話を聞いてやってもいい」

「美人じゃなかったら殺されてたんですか・・・」

「まぁつまらん報告じゃなければ殺さんよ

何だ? ヤミ・アプレンティスが殺し合いでもしたのか?」

「え、 えぇ・・・そんな事しないでしょう」

「何だお前新入りか? 最近は殺し合いが流行っているんだぞ?」

「殺し合いが流行っている!?」

「そうだ、 ソルジャースシ同士、 ヤミ・アプレンティス同士で殺し合う事で

レベルが格段に上昇するんだ」

「そ、 そうなんですか・・・物騒ですね」

「実戦が有れば実力が上がる、 自明の理だ」

「は、 はぁ・・・しかし私の話は少し違っていまして・・・」


そう言ってソルジャースシは一枚の書類を出した。


「ん? 何だこれは?」

「捕らえられている闇のスシブレーダー達のエリアに行く為の許可が欲しいのです」

「許可?」

「はい」

「許可か・・・必要なのか?」

「えぇ、 見張りの人に入ろうとしたら許可が居ると言われまして・・・」

「ふぅん・・・まぁ良いだろう」


サラサラと書類にサインを書く豆巻き。


「・・・メクノ?」

「おっと間違えて本名を書いてしまったな、 失敗失敗、 ははは」


二本線で修正してちゃんとサインを書いた豆巻き。


「そういえば何で闇のスシブレーダーのエリアに行きたいんだ?

あそこは魔窟だぞ?」

「・・・・・」

「ふぅむ、 まぁ行くのは勝手だから止めはしないが

・・・その前に少し話でもしないか?」

「話・・・別に構いませんが・・・」

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