何故捕まえているのか?

サンダリ牢獄の外部、 外で巡回しているヤミ・アプレンティスの二人組。

メネギとハムは欠伸をしながら見回りを続けていた。


「くだんねーなぁ・・・ハムちゃんよ、 こうやって見張りする意味有るのか?」

「逃げられたら困るじゃないですか?」

「逃げて如何するって訳だよ、 連中の連合軍でも

俺達は止められなかった、 逃げてリターンマッチをしても俺達には勝てねぇだろ」

「まぁそれは道理ですけど・・・

噂では主なスシブレーダーは一緒に居なかったらしいじゃないですか」

「けっ、 如何だかねぇふわぁ・・・」


メネギは尚も欠伸をしていた。


「所でメネギさん、 一個聞きたい事が有るんですけど」

「何だ?」

「何で私達は三国の敗残兵を捕まえてるんですか?」

「あ?」

「だってその場で殺した方が良く無いですか? 飯とかも与えないといけないですし」

「さぁな、 捕虜にして何か交渉に使うかもしれない」

「交渉ですか・・・何をするつもりなんでしょうね」

「それは俺にも分からん、 きっと上が何とかするんだろうさ」

「あー・・・じゃあもう一個聞いても良いですか?」

「何だ?」

「闇のスシブレーダーも捕まっているじゃ無いですか

アレこそとっとと殺した方が良いんじゃないですか?」

「・・・・・知らねぇな、 何で殺さないんだろ」

「殺さないのでは無く殺せないのだ」


ヤミ・マスターの豆巻きが二人の元にやって来る。


「お、 おぉ!? マスター豆巻き、 何故ココに!?」

「捕虜共と同じ空気を吸うのは気が滅入るからな、 散歩だよ」


豆巻きは炒った大豆をぽりぽりと食べ始めた。


「喰うか?」

「いえ、 結構です・・・」

「マスター、 殺せないとは一体・・・?」

「ふむ、 単純な話だ、 捕まっている闇のスシブレーダー達は

殺すまでも無いが失敗した者、 頭が可笑しくなった奴とかそういう連中なんだ

そういう連中を一ヶ所に閉じ込めた内に闇の力が合わさり合ったのか何なのかしらんが

異空間が形成されたのだ」

「異空間?」

「そうだ、 お陰で闇のスシブレーダー達が居る区画は

行きはよいよい帰りは恐い、 と言う滅茶苦茶な場所になってしまったのだ」

「そうなんですか・・・」


ぽりぽりと大豆を食べる豆巻き。


「ホントに大豆要らんのか?」

「結構です・・・」

「ふむ・・・そうか」


不機嫌になる豆巻き。


「あ、 わ、 私達は見回りの仕事が有りますのでこれで失礼します!!

行くぞハム公」

「は、 はい、 失礼しますマスター!!」


そそくさと立ち去るメネギとハムであった。


「ふん・・・」


ぽりぽりと大豆を食べながらその場から去る豆巻きだった。

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