フェルティパンの策

「報告!! 三男爵がやられました!!」


ヤミ・アプレンティス達の元に報告にやってくるスシトルーパー。


「さっきの訳の分からん音がした途端に死んだぜ?」

「如何する?」

「臆病者共め、 人間って皆こうなの?」


角の生えた鬼の様な魔族のスシトルーパー

フェルティパンは呆れながらに前に出る。


「お、 おいフェルティパン、 行くのは危険じゃないのか?」

「そうだ、 スシブレード同士の打ち合いならまだしも

正体不明の攻撃には注意を払うべきだ」

「ふん、 俺には秘策が有る」

「秘策?」

「後から付いて来い!!」


フェルティパンが前に出る、 戦線に現れると同時に弓矢がフェルティパンの脳天に直撃!!

フェルティパンは息絶えた。

矢を放ったのはマオ!! 彼女はスシブレーダーでは無い、 弓兵である。

しかし訓練を重ね長距離狙撃を可能にしたのだ!!


「策って何だったんだよぉフェルティパン!!」

「フェルティパンの考える事は分かる」


フェルティパンの相棒、 小鬼のバルーが前に出る。


「如何するって言うんだ!?」

「こうするんだよぉ!!」


地面に這いつくばるバルー。


「こうして頭を下げて居れば謎の攻撃は当たらない!! 少なくとも当て難い!!」

「な、 なるほどぉ!!」


銃に対して頭を下げる、 賢い戦術である。


「で、 でも弓矢は如何するんだ?」

「腕やスシブレードでガードすれば良い、 盾とかも拾っておこう」

「なるほど・・・それで行こう」


確かに防御出来るが、 匍匐前進は圧倒的にスピードが遅い。

もしもヤミ・マスターが居るなら『死ぬ事なんて考えずにさっさと行けやボケ』と

一人二人殺して見せただろう。

ヤミ・マスターが居ないのがここまでネックになるとは

シャリーラ13世も予測していなかっただろう。

いや、 親方”闇”でも予想がつかなかった

何故ならここまでの団体行動を闇寿司が取る事は稀である。

もしも団体行動を取るとしても強者が率いるパターンばかりである

こうして階級的に同じ者同士が集まっているとこうなるというのは

流石に想像出来なかったであろう!!




「レーア様、 何だか敵が頭を低くしてきましたが・・・」


伝令から報告を受けるレーア。


「こちらとしては好都合、 この銃は多用出来る物じゃないからね」

「そうですか、 では如何します?」

「一旦下がります、 スシブレーダーの方々に頑張って貰いましょう」

「分かりました」


レーアは少し歯がみした、 この生きている銃が無ければ自分は非力な娘でしかない。

スシブレードについて学ぶ必要があるとレーアは痛感した。

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