奈落の底に宝は有るのだろうか?

時間は前後して六人の会合から逃げていたソルジャースシ二名。

彼等はコーネリアスとエヴァザンである。


「聞いたか?」

「あぁ、 まさかこんな所でファウンデーション教国の連中がいるとはな

直ぐにインフレーション様に報告しよう」

「馬鹿か」


こつんとソルジャースシのメットを殴るコーネリアス。


「良いか、 連中が言っていただろうザクロ寿司の事を」

「あ、 あぁ言っていたが・・・それが?」

「そのザクロ寿司とやらを奪い取ればヤミ・アプレンティスもヤミ・マスターもすっ飛ばして

俺達が寿司の暗黒卿になれるんだよ」

「無茶だ、 俺達じゃ殺されるがオチだ」

「いや、 さっきの話じゃあセキユーとか言うのは優しい

寿司を食べたいと言って持ち帰れば良いんじゃねぇか?」

「・・・・・その場で喰えと言われたら如何するんだ?」

「食べると見せかけてスシブレードとして射出すれば良い」

「危険過ぎる博打だ」

「このまま最底辺でうろつくのは俺は御免だ、 俺は賭けに出るぜ」


コーネリアスはセキユーの店に走って行った。


「・・・勝手にしろ」


エヴァザンはインフレーションの元に帰還したのだった。





コーネリアスはセキユーの店に辿り着いた。

ドアには鍵が掛かっている、 如何やら留守の様だった。


「・・・・・」


コーネリアスはカルビを射出して店の中に入って行った。

店の中はこじんまりとしていてコの字にカウンターが有り

カウンターの中で調理をして寿司を提供すると言う形なのだろうと推測出来る。


「・・・ザクロは何処だ?」


ザクロ寿司を探すコーネリアス。

カウンターの中に入る、 カウンターの中にも無い様だ。


「じゃあ奥か?」


店の奥に入るコーネリアス、 店の奥には地下に続く梯子が有った。

そしてその地下梯子の隣にはエレベーターが有った。

エレベーターは昔にも存在はしていたのだ現代と技術は違うが・・・


「・・・・・地下?」


首を傾げたコーネリアス、 地下にザクロが有るのか?

若しかしたらザクロとは地下生物の事なのか?と思うコーネリアス。

しかしここまで来たのならば帰るという選択はコーネリアスから消えていた。


「降りるか・・・」


梯子を降りていくコーネリアス。

彼はこの梯子を降りて行った事を心の底から後悔する事になるのだが

今の闇寿司特有の攻めの姿勢の彼は知る由も無かったのだった。

そして何より・・・


「ただいまー、 あれ? 扉が壊れている泥棒かなぁ・・・」


ダースシ・セキユーがコーネリアスが地下に入って直ぐに帰って来たのを彼は知らなかった。

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