裏切りの果てに宝は有るのか?

インフレーションの元に帰って報告をしたエヴァザン。


「ふむ・・・」

「如何しますか? このままファウンデーション教国の連中を叩きますか?

それからコーネリアスは・・・」

「放置しよう」

「は?」


インフレーションの言葉に呆気に取られるエヴァザン。


「それは如何言う事かしら?」


まるで人形の様に真っ白い化粧をした金髪の女性が現れた。


「アイラブミーか、 君は下がって良いよ」

「は、 はい!!」


エヴァザンは慌てて逃げた。


「さてインフレーション、 何で敵を放置するの?」

「敵が此方に来るなら返り討ちに出来る、 そしてセキユー様も襲われれば返り討ちに出来る

態々動く必要も無いだろう」

「怠慢じゃあ無いのかしら? もっと自分から動かないと愛されないわよ?」

「愛される? 良く分からないですがねぇ、 動かないと愛されないのならば

セキユー様は怠けすぎだと思いますね、 寿司の暗黒卿なのに全然動いていない」

「あらら、 それは不敬じゃない? 上の指示には従わないと駄目よー」

「従う相手は自分が決める、 それよりももし私じゃなくセキユー様に

ファウンデーション教国の連中が攻め込めば如何なる?」

「返り討ちになるってさっき言ってじゃない」

「そうだ、 しかし消耗はするだろう」

「・・・まさかセキユーを殺す気?」

「その通りだ、 そしてザクロ寿司を手に入れて寿司の暗黒卿になる」

「・・・・・」

「如何する? 私を殺すか?」


アイラブミーは手を横に広げた。


「良いじゃない、 その話、 私も噛ませなさい」

「良いだろう」


すっ、 と手を差し出すインフレーション、 アイラブミーはにこりとして握手に応じたのだった。

彼等二人は『手を組んだと見せかけて、 土壇場で相手を裏切る』事を決めた

皮肉にも彼等の心は通じ合ったのである。


「さてとではソルジャースシに例のファウンデーション教国の見張りをさせて

ついでにセキユーの所にも見張りを立てておこうかな」

「それが良いわねぇ」

「所でアイラブミー、 一つ気になったんだが・・・」

「何?」

「セキユーのザクロって一体何の事だ? 魚か? 動物か?」

「無学ねぇ、 ザクロって言うのは果物の事よ」

「果物の寿司? 見た事は有るが肉っぽかったぞ?」

「・・・じゃあ何かの隠喩なのかしら」


首を傾げるアイラブミー。


「まぁ良い、 毒が有る訳じゃないだろう? 普通に喰える訳だし」

「そうね、 取り扱いが危険な訳じゃないし猛獣でも倒せるでしょ」

「そうだな、 じゃあ今日は休ませて貰おうか」

「私も今日は寝るわ、 おやすみー」

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