パクス・ダークネスシーナ

「いいですか皆さん!! ファウンデーション教国が発展を遂げたのは

彼等が神に愛されていたからでも正義だからでもない!!

彼等が強大な軍事力を持っていたからなのです!!」


街中で市民達を集めて集会を行っているマナ法国の枢機卿の一人にして

ヤミ・マスター、 インフレーション、 本名はテロエンザが弁舌を振っていた。


「強大な力によるパクス・ファウンデーションの元、 ファウンデーション教国は

各国に教会を設置して国政に干渉して来ました!!

彼等の決めたルールの中で我々は暮らしているのです!!

しかし未だに我々は魔王の脅威から逃れられてはいない!!

パクス・ファウンデーションは我々を教国の奴隷にする制度なのです!!

だが神々は異世界から闇寿司を送って下さったのです!!

闇寿司は下剋上を認めている力の世界!!

より強き社会!! より強い正義!! より強いシステム!!

それが闇寿司です!! 我々人類が世界の覇者になる為に

そして未来に生まれてくる子供達の為にも古き弱い法を滅ぼし

新しく強い法、 パクス・ダークネスシーナで戦おうでは有りませんかみなさん!!」


住民から歓声が上がる。

歓声を上げているのは貧民たち、 食べる物にも困り

上に昇りたくても上には貴族が居て登れない

そんな中で登れるチャンスが有るのならば心躍らない訳が無い。


「如何思う?」


遠く離れた所から様子を伺うゴハン。

その隣にはハウが居た。


「色々耳障りの良い台詞を言っているが弱肉強食って事だ

弱者が悲惨な事になるのは眼に見えている」

「だな・・・宗教家と言うよりは詐欺師だ」


二人は溜息を吐いた。


「だがしかし、 だマナ法国の内部分裂は貧民だけじゃなく

貴族達の間でも闇寿司に付くべし、 という声も多いと聞く」

「つまり富裕層を取り込める材料が闇寿司に有るって居る事か?」

「かもしれない、 力を得て好き勝手したいというだけかもしれないが・・・

今、 バルトがサイの所に行っている」

「サイ? あの聖女の娘の?」

「そうだ」

「アイツスシブレードを目の仇にしてたじゃないか」

「一人じゃないから大丈夫だろう」

「バルトの他に誰が付いているんだ?」

「エミリーとグレン」

「両手に花って奴だなぁ・・・こっちはおっさんと一緒なのに」

「そうか? 女でもちょっと迷惑な部類だし、 寧ろ罰ゲームな気もしなくはない」

「まぁ仕方ないだろ、 彼女達は実力はあるんだから」


はははと笑い合うハウとゴハン。


「しかしスシブレーダー5人で大丈夫か?」

「大々的な侵攻はされていない様だから大丈夫だろう」


ハウは答えたのだった。

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