ねんねのお話 ~リュウくんの家に木が生えてきたら~

プラナリア

リュウくんの家に木が一本生えてくるお話

まっくらくらの夜。空にはまんまるお月様。

リュウくんは、お母さんにねんね絵本を読んでもらったところ。

「さぁ、寝よう」

お母さんが部屋の電気を消しました。

布団に入ったお母さんは、もうお目めが閉じちゃいそう。でも、リュウ君のお目めは、ぱっちり。

「ねんねのお話して!」

「えー……もう寝ようよ~」

「リュウくんの家に、木が一本生えてくる話!」

リュウくんのキラキラしたお目めを見て、お母さんはため息をつき、お話を始めました。


☆☆☆

ある朝、リュウくんが目を覚ますと、お家のお庭に木が一本生えていました。

リュウくんと同じくらいの背の高さの、可愛い木でした。

お父さんが、木に何やら、ぐるぐる。

「なぁに?」

リュウくんが聞いても、お父さんは「秘密。夜になったら分かるよ」とニコニコしています。

おひさまがバイバイして、お月さまが、こんばんは。夜になりました。

リュウくんがお庭に出ると……

「わぁ!」

リュウくんの木が、ぴかぴかしています。

お父さんは、電飾を巻いていたのです。

小さな灯りが溢れた小さな木は、お庭をきらきらと照らし出していました。

おしまい。

☆☆☆


「さぁ、寝ようね」

すかさず、リュウくんは叫びます。

「木が二本生えてくる話!」

「……(-_-;)」


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