ご近所シェフ

第1話

コロナ少年が俳優トムハンクスに送ったファンレターの記事を読んで、トム・ハンクスが映画「トイストーリー」の主人公ウッディの声優だったことを知った今日。

そして、名前がもとでいじめを受けている少年へ　♪君の友達　を書き添えたというウィットにとんだ返信に心のスマイルマークが明るく灯った。

今日という日は二度とない。かけがえのない一日。

食べることが大好きな自分と東西線沿線のご近所シェフとのエピソードを忘れないうちに書き留めていこう。

車を店の前に駐車する時には、シェフ自らが全力で位置決めをしてくれる。

外出自粛宣言が出る前だったが、シェフはマスクをして出迎える。

目がこんな時期によく来てくれてありがたいというように語っている。

ピザ釜が設置された店は貸し切り状態。こじんまりはしているが満席で賑わっていたのが嘘のようだった。私のお気に入りの店なので、独り占めが嬉しい気もする。

焼きたてのピザ生地にとろけたチーズがよく絡んだ絶品ピザがたまらなく食べたくなる時があるのだ。シンプルなマルゲリータを注文する。バジルの緑にトマトの赤。イタリアンカラーが美しく、またチーズが格別でイタリアで食べた味に近いのだ。

その日はいつものグラスワインではなく、発泡ワインを注文したかった。

シェフにおすすめを確認すると、イタリアから年末に届く予定だった輸入ワイン13本が入荷したところだという。今年のおすすめという発泡ワインは、青リンゴの香りに近いフルーティーさが際立つ1本しかない辛口を選んだ。

就職して4年目の春　昇進した輝かしい未来に乾杯した。