PVを伸ばすには
逃ゲ水
1. 宣伝に注力する前にすべきこと
まずはじめに、あらすじを読まずに突撃してきた人のためにあらすじ部分と同じ文章を貼っておく。
ちゃんと読んできた人は次の連続改行まで飛ばしてね。
曲がりなりにもここ数年カクヨムで活動してきた一物書きとして、PVの伸ばし方について語っていく。
「そういうお前はなんぼのもんじゃい」と言われると思うので執筆時の代表作を貼っておこう。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887574487
これを見て参考になりそうと思った人は読んでくれればいいし、そうじゃない人はブラバ推奨。具体的にはPV5桁以上の人はお帰りください。
というわけで、PV強者がご退場なさったところで本題に入っていこう。
頑張って書いている(あるいは書き上げた)長編作品。別にPV目当てで書いてるわけじゃないけど、どうせ書いたんだからちょっとでも多くの人に読んでもらいたいなぁ。
なんて思うのは、創作者としてごく当たり前の感情だ。
そして世の中の「PV伸びろ」系の愚痴の大半は、つまるところ「誰か作品読んでくれないかなぁ」という気持ちの現れだろう。(そうじゃない人もいるかもしれないが)
そういうわけなので、PVを伸ばしたい、もっと人に読まれたい、という気持ちを否定したりはしない。
世の中には「好きで書いてるんだからPVなんて気にするな!」とか、「読まれたいという雑念が作品をダメにする!」とか大層なことをのたまう人々もいる。
だが、そんなものは所詮PV強者の寝言に過ぎない。
私に言わせればその手の発言は「紙がなければ札束で尻を拭けばいいじゃない!」レベルの寝言である。我々PV弱者が耳を貸す道理はない。
(ちなみにかの有名なマリーアントワネットの「パンがなければ……」は、実はそれなりに筋の通った主張だったりするらしいのでここで取り上げるのは違うよなと思ってやめた。)
さて、PVを伸ばすと聞いて真っ先に思い浮かぶものがあるとすれば、「宣伝」だろう。
一話更新するごとに宣伝ツイートをし、更新してなくても宣伝ツイートをし、「RTした人の作品を読みにいく」とあれば片っ端からRTし、スコッパーのアカウントを見つけたら即座にフォローする。果ては他の人の宣伝ツイートをRTして見返りのRTを期待したり……。
とまあ、ここに来た人は何かしらそういう経験をしてきているものと思う。
もちろん、宣伝行為は悪いことではないし、むしろ読まれるために規約の範囲内ならばどんどんやっていくべきだ。
(宣伝のこと以外考えられない宣伝マシーンにならないよう気を付けた方がいいとは思うが。)
だが、その前にすべきことがある。それは作品をより良くすることだ。
「結局それかよ参考にならんわ去ね」
って思ったかもしれないがちょっと待ってほしい。ちゃんと説明するのでこのページを閉じるのはまだ待ってくれ。
具体的な例を挙げて説明しよう。
ここに10話からなる小説があるとする。今、この作品に幸運にも新規読者がたどり着いた。
この読者が1話目を読み、残念ながら離脱した。この場合、PVは1しか増えない。当然だ。
だがもしも、この読者が10話目まで読み切ってくれた場合、PVは10増える。
ではこれが10人になればどうか。
1話目しか読まれない場合は10PVだが、10話目まで読まれる場合は100PVだ。
この差を埋めるとなれば宣伝で90人の読者を引っ張ってくる必要がある。
つまり、2話目以降も読まれるようにしてから宣伝に取りかかった方が、圧倒的に効率がいいのだ。
さて、話は分かったけど具体的にどうすればいいのか、という点に関してだが、現時点での私の答えはこれだ。
「1話目を面白くするより、これから面白くなりそうだと思わせる」
1話目からバトルシーンを突っ込んだり、キャラを何人も出していく必要はない。
必要なのは「これからどういうことが起こりそうなのか」である。
言い換えると、ある程度先の展開が読めるように作ることが重要なのだ。
これはどういう作品で、どういうところに期待しながら読めばいいのか。そこが分かれば、読者も2話目3話目と読んでくれるだろう。
ボーイミーツガールならさっさと主人公とヒロインを出会わせる。もしくは数話以内に出会うことをしっかり匂わせる。
序盤にゆっくりじっくり話を広げていきたい気持ちは分かるが、それよりも物語の売りを読者に伝える方が(読まれるためには)重要なのだ。
こう言うと、「予定調和の話なんて書いてられっか!」と言い出す反骨精神マシマシの天邪鬼が大量に湧いてくるかと思うが、ここで話しているのは「期待を裏切らずに予想を裏切れ」という話である。
例えば、いかにも異世界ファンタジーなタイトルで、キャッチコピーもあらすじもタグもどれも壮大な異世界の冒険を予感させる作品があったとして、その1話目を読もうとするのはどんな読者だろうか。
当然、「異世界ファンタジーが読みたい読者」である。
ではここで、よく知らない男子高校生の平凡な日常が丸々3話もかけて描かれていたら、読者はどう思うだろう。
それはおそらく、「いつになったら本編始まるんだ?」に違いない。
あるいは、「誤クリックして違う作品開いちゃったかなぁ」とか「タイトル詐欺に引っ掛かったか?」とか。
つまり、この時点で読者は、この先に自分の読みたい異世界ファンタジーが広がっているという期待を持てていないのだ。
これが、金を出して買った本であれば、「真っ当な会社がタイトル詐欺なんてするはずない」とか「せっかく金を出したんだからもうちょっと読んでみよう」とか思って、もう少し先まで読んでもらえるわけだ。
だが、我々にそれはない。
ド素人でも全く問題なく投稿できる小説投稿サイトを、無料で読んでいる読者が相手なのだ。
面白さが期待できない、読みたい展開が期待できない、となれば即ブラバを躊躇わないような人々が我々の読者なのである。
(ちなみに一つ擁護しておくと、躊躇なくブラバするのは何も小説投稿サイトの読者だけではない。
このコンテンツ飽和時代において、面白くなさそうなものに付き合っている暇はないのだ。小説でなくとも、動画とか漫画とかアニメとか、ちょっとだけ見てみたけどつまんなそうだから切ったという経験は、誰にでもあるんじゃないだろうか。)
さて、そういうわけで即ブラバを避けるためには何ができるのか。答えはここまで話してきた通り、読者に期待を持たせることだ。
もちろん、「これは面白くなるぞ!」と思わせられればいいのだが、それができるならおそらくこんな創作論を読んだりはしてないだろう。
そこで推奨するのはもう一つの方。読みたい展開が来るという期待を持たせることだ。
先程の例なら、ファンタジーな異世界での冒険が読みたくて読者は来たわけだから、男子高校生の平凡な日常は大胆にカット、あるいは後回しにして、「この作品はちゃんと異世界ファンタジーですよ!」というアピールをしなければならないということだ。
というわけで話をまとめると、「期待を持たせる」。そして「期待を裏切らない」。
まずはこの2点を念頭に作品を作る、あるいは改稿することをオススメする。
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