第35話 猛禽類は怖くない!
インフォメーションテクノロジー部の準備室で猛禽類先輩たちと向き合うヒロとテックン。
「素晴らしい成果ね!」
「桜子さんが幸せそうでホワホワしていたわ」
「私も嬉しそうに歩いているのをお見掛けしたわ」
ストレートボブの
今回は花火大会もいい雰囲気だったし、お土産の件でもいい感じだったから、ヒロがいつもより堂々としている。
「それで浴衣を着た桜子さんに素直に可愛いと言えたのね?」
「もちろん」
ヒロが余裕過ぎて不気味だ。何か隠している。
「
「
「まあ先輩方がどうしても聞きたいというなら…」
自慢気に説明した。鼻高々だ。
「手、手を繋いだですって!?」
「あのヘタレなヒロさんが…!?」
「天災が起こらないと良いけれど…」
「それで苺飴を買ってやって写真を撮った。これは今の俺の待ち受けです」
「まあ可愛い!」
「桜子さんに桜色の浴衣ね」
「ふふっ。ヒロさんたら、コバたんに睨まれているじゃないの」
ヒロの待ち受け画像の桜子とコバたんをみてキャッキャする猛禽類先輩たち。
「でもヒロさんは子供の頃から、しつこく桜子さんに想いを寄せている事を隠しているんじゃないの?」
「桜子さんのことが好き過ぎて想いを告げられないヘタレなヒロさんは、まだ隠しておきたいのではないの?」
「もし、うっかり待ち受け画像を桜子さんに設定していると人に知られて、照れ隠しに全然好きじゃないとか逆なことを口走って嫌われないか心配だわ」
猛禽類先輩たちの指摘は鋭い。
「でも、こんなに可愛く撮れた…っていうか、桜子はいつでも可愛いけど。それに手を繋いで花火を観た記念の写真だし。いつでも眺めていたいし」
ヒロの口から桜子への想いが溢れる。
ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!
インフォメーションテクノロジー部の準備室のドアが激しく攻撃されているような音が響く。猛禽類先輩たちが珍しく怯えている。
「俺が様子を見るから先輩たちは離れて下さい」
「ヒロさん…」
「気をつけて」
ヒロがテックンを後ろにかばいながらドアを開けると真っ赤な顔の桜子が立っていた。
クチバシでドアを攻撃していたのは桜子に抱かれたコバたんだった。
── 状況からして桜子に全部聞かれていた可能性が高いな…
そこで思考停止したヒロは、その場で石化した。
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