第31話 常陸領に遊びに来た(ヒロside)
お盆が終わって、いよいよ
そんな事を考えていたヒロだったが甘かった。
「桜子ちゃんだー!」
「俺のこと
「
「桜子ちゃん!花火大会はおしゃれするでしょ?これ!これ使って!HI-TACHIのドライヤー!」
「これ有名なHI-TACHIのナノイオンドライヤーだわ!やっぱりHI-TACHI製品が多いの?」
「うちは全部HI-TACHIだよ!」
「桜子ちゃん、みて!テレビ!HI-TACHIのテレビ!」
「
「ありがとう嬉しいな。桜子はアマックスコーヒーは初めて?甘くて好きなんだ」
「いただくわね…まあ、懐かしいスイーツのような喉越しね!」
ギャングたちが
俺は猛禽類先輩たちとのグループLINESに初めて助けを求めた。
「こんな感じです。」
というテキストと共にギャングたちが桜子に纏わりつく動画を送った。
ピーン!
さっそく返事がきたな、どれどれ…
「手強いわね…」
「これは無理じゃないかしら?」
「2学期に期待しましょう」
…… くそっ!諦めるのが早過ぎるぞ!
「まだ初日です!」
送信っと
ピーン!
「一服盛って眠らせたら?」
…… 投げやりだな!
「真面目にアドバイスをお願いします」
送信。
ピーン!
「
「花火大会だけは桜子さんを死守して」
「ギャングたちを油断させる為にも今はやらせておきなさい」
……
「
「ヒロの言いたいことは分かる」
ヒロが何もいう前に申し訳なさそうな顔で答える。
「花火大会の時だけでいい」
「両親と乳母たちも入れて話そう」
「うちの猿たちがすまない」
「女の子には乱暴な態度をとらないようになったから、あれでも随分ましになったのだけれど」
「なつかれて桜子も喜んでいるし…花火大会の時だけ確保していただけたら…」
ヒロの控えめな希望が一同の同情を誘う。
「あいつらを油断させるために直前まで自由にさせてもいいか?」
「ああ頼む」
「トキさん達は出来るだけあいつらを疲れさせて」
「花火大会の直前に浴衣にお着替えしますから、そのタイミングで確保しましょう。帯をしめるついでに縛り上げて」
乳母たちが慣れていた。主人の子供達を日頃から縛り上げているらしい。
「確保したら父さんと母さんの出番だよ」
「しっかり睨みをきかせてやるぞ」
「この間もきつく叱ったばかりなのにね…」
この前とは
「ふふっ、2人とも元気で可愛いわね」
「私はお姉ちゃんと2人姉妹だから、ここに来ると弟が出来たみたいで嬉しいんだ」
「私は一人っ子だから小さい子がそばにいるのが新鮮だわ」
ヒロの精神が消耗する中、桜子と清は楽しそうだった。
「くそ…チビなのを良いことに桜子に抱きついて…コバたんももっと邪魔をしないと…」
コバたんは
「夕方5時になったら俺たちも清たちも浴衣に着替えて出かける。同じタイミングで
「夕飯は屋台をハシゴでいいよな、桜子が喜ぶ」
「ああ、気づかないよう変装して周りに護衛がいるから安心してして食いまくってくれ」
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