第12話 桜子のおうちご飯
「嬉しいわ!
山田屋うどんチェーンのパンチさん煮込み定食 は、武蔵領の領民に人気のボリューム満点な、とろろ小鉢付きのもつ煮込み定食だ。濃い目の味付けで、もつ煮込みにメンマが入っているのが特徴だ。
朝から気まずい空気を漂わせた挙句、目の前で
オレンジ色のやじろべえのロゴでお馴染み、
「大奥様から領地の美味しいものが沢山届きましたからね。
「ありがとう、お祖母様にお礼の電話をしておくわ」
桜子の祖母の
大和の上品な薄味で育った
現在の
ダメ元で孫の桜子に武蔵領のB級グルメを勧めたところ桜子はB級グルメを気に入り、幼い頃から大人顔負けの食欲をみせた。
以後、
「あら、2種類あるの?」
「
祖母の
「新商品の
目の前に並べられたパンチさん煮込みと
桜子の隣でコバたんは塩むすびと冷奴を味わう。白い食品が大好きなコバたんの定番の晩ご飯メニューだ。毎日でも飽きない。
「美味しいわ…。いつものパンチさん煮込みは、いつも通り最高に美味しいわ。刻み葱をたっぷり乗せたメンマ入りのパンチさん煮込みとご飯のカップリングは最高ね…濃いめの味付けで白米が止まらないわ。この
いつものパンチさん煮込みと白米、旨辛なパンチさん煮込みに白米の組み合わせは、
「どちらも美味しいけれど、やはり食べなれたいつものパンチさんの方が美味しく感じられるかしら? でも旨辛が夏だけの限定メニューになったら毎年通ってしまうわね。ハーゲンダッツのラムレーズンが冬だけのご馳走みたいな」
「桜子お嬢さん、デザートに
「十一万石まんじゅうがあるの!?」
「クルッポー!」
「大奥様からのお荷物に同梱されていましたよ」
“うまい、うますぎる!” のキャッチフレーズで有名な十一万石まんじゅうは桜子とコバたんの大好物だ。餡子たっぷりの十一万石まんじゅうは見た目が白いのでコバたんもお気に入りなのだ。
桜子とコバたんは渋めの緑茶と一緒にデザートの十一万石まんじゅうを堪能して、満ち足りた気分で1日を終えた。
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