第9話 上から目線のコバたん
「クポ!」
翌朝、コバたんがチャーム付きリボンを
「今日はこのリボンがいいの?」
「クポ!」
コバたんは毎日違うリボンを首に巻いてもらっている。
今日は有人宇宙船ソユーズのチャーム付きリボンを巻いてほしいと桜子にアピールしている。
「できた。今日もかわいいわね」
コバたんの首にチャーム付きリボンを巻き終わり、デレ顔の桜子がコバたんを愛でる。
「クポォ…」
最愛の桜子に抱っこされて撫でられて朝からご機嫌だ。
「おはよう」
「おはよう桜子。あら、今日のコバたんのリボンはチャーム付きなのね」
先に登校していた幼馴染の
「クポ!」
コバたんが
「これは特別なの。コバたんが国際宇宙ステーションに滞在した記念なのよ」
「クポ!」
コバたんの
「コバたんが国際宇宙ステーションに滞在することになった時、桜子はずいぶん淋しがっていたけど、コバたんのためなら我慢するって頑張っていたよな」
「ク、クポッ!」
「コバたんの夢が叶ったんですもの。淋しくても我慢した甲斐があるというものよ」
デレ顔の桜子がコバたんに頬ずりする。
「クポオ…」
コバたんもデレる。似たもの主従だ。
※
※
「宇宙飛行士になりたいっていう夢を、コバたんに先を越されてヒロは残念だったわね」
「クポ!」
「ガッチャ!」
「クポ!」
ヒロの精霊テックンは国内トップクラスの工業系大学のマスコット精霊なので、当然テクノロジー関連の話題が大好きだ。テックンは武蔵領出身の宇宙飛行士、若林さんと共に宇宙に滞在したコバたんに
腹黒なコバたんもピュアなテクノロジー精霊のテックンには優しい。
「…桜子の領地出身の宇宙飛行士の若林さんにマスコットとしてついて行っただけじゃないか」
ゴッ!ゴッ!
不満そうにボソリと呟いたヒロをコバたんが激しく
「いってえ! ちょ、桜子!」
「ダメよ、コバたん」
慌てた桜子がコバたんを後ろから抱えるようにしてヒロから離す。
確かにコバたんはヒロの言う通り、桜子の領地出身の宇宙飛行士である若林さんにマスコットとしてついていっただけだ。癒し以外の役割はなかった。
「桜子、こいつをちゃんと躾けろよ…」
「今のはヒロが悪いわ」
中立の
「でもコバたんもやり過ぎだったわね、“ごめんなさい”しましょうね?」
プイッ!
桜子に抱えられたコバたんが顔を背けた。
「コバたん?」
「…」
桜子が悲しそうな顔で覗き込んでくるので気まずい。
「ガッチャ!」
テックンがコバたんに何か話しかけている。
「クポォ」
渋々といった様子のコバたん。
「ガチャ!」
ヒロに強めに抗議するテックン。
「…俺も悪かった」
渋々とコバたんに謝罪するヒロ。
テックンは幼馴染4人の潤滑剤だ。
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