第11話 トイレと美結と決心
あああああ~!どうしようどうしよう、ほんとにどうしよう。なんてこと言ってるの茜。私が中学からえーくんのこと好きなのはほんとだけど、なに本人に直接言っちゃってるわけ!?
さっきから顔のほてりと激しい心臓音が止まらない。あまりの恥ずかしさと衝撃でパニックになり、ついトイレへ逃げ込んでしまった。今日強引に彼女役を買って出たことだって、本当に好きだからだってばれたんじゃ…いやそれはそれでいいのかな…ってもうそんなの告白したも同然じゃんっ!ほんとにどうしよう。もうこのまま思い切ってちゃんと告白した方がいいのかな、でもえーくんがどう思ってるか分からなくて怖いし、えーくんから何か言ってくれるまで待つ?あーそれももどかしくて待てないっ!
ピロンッ
「ひあっ!」
突然ケータイのメッセージの着信音が鳴り、思わず声が出てしまう。
「なに、こんな時に。」
すぐケータイを確認して、息をのむ。
「えっ、えーくんから…」
なになになに、さっきのことかな。もしかして俺も好きだよとかっ?いや、でも、ごめん幼なじみとしか見れないとかだったらどうしよう。様々な答えが頭を一周したのち、おそるおそるメッセージを開く。
「診察終わったよ。トイレ大丈夫?出たとこで待ってる。」
そのメッセージを何度も読み返して、ふう~と大きなため息をついた。
「はぁぁ~、あせったぁ~。」
一旦気が抜けると、なんだか少し落ち着いてきた。
「よし、いくぞ、私!」
ほっぺを2度パンパンッと叩いて気合を入れる。もうばれてしまったものは仕方ない。もう一度私の口からちゃんと伝えよう。そう心に決める。鏡で何度も顔をチェックして、トイレから一歩踏み出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます