#4二つ目の暗号と回答

 僕はすぐさま二問目に取り掛かる。


 問題を作る事に夢中になり、夕焼け空が気づけば真っ暗になっていた。


 暗号に問題がないか確認してからホームズに送る。


 返事は一言。


『新しい謎解き受け取った』


 ホームズに送った二問目はどれくらいの速さで解いてくれるのだろうか?


 僕は自分の作った問題のコピーに目を落とす。


 濁りがない文字が真実を伝える

 ③④⑤

 ⑦⑥

 ①②⑧

 ヅダビガるザのゴたバ

 ゼドしボゴダのバガザ

 あザえダみビデバゼゾ


 翌日学校が終わって部屋に入った途端に電話が鳴った。


「家にカメラ仕掛けてますね」


『仕掛けてない。学校が終わる時間。君の歩行速度。全て分かっているんだ。今履いている下着の色も当てられるよ』


「切りますね」


『怒んないでよワトソンくん。答え合わせがしたいんだよ』


「答え分かったんですね」


『夜遅かったから学校帰りまで待ってた』


「それはどうも」


『【逢えるの楽しみ】だろ。嬉しい事を言ってくれるよ』


 顔が熱くなるのを無視して話す。


「解説もお願いします」


 濁りがない文字が真実を伝える

 ③④⑤

 ⑦⑥

 ①②⑧

 ヅダビガるザのゴたバ

 ゼドしボゴダのバガザ

 あザえダみビデバゼゾ


「濁りがない言葉が真実を伝える。つまり濁点のない言葉八文字を指している。

 その下の数字はひらがなを読む順番。

 順番通りに読むと《あえるのたのしみ》となる』


「正解です」


「ふっふーん。どんなもんだい。次の問題待ってるよワトソンくん」


「まだ作るんですか?」


「後少しで退院できるんだけど暇なんだ。母様のマーマレードも底をつきそうだし。頼りになるのは君の作った問題だけなんだよ〜」


「……分かりました。新しい問題作っておきます。けれど次で最後ですから」


   ホームズは『ありがとう』と言ってから切った。


 僕は最後の暗号にある想いを込めることにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る