ココロのなる木

加賀律

第1話 母のお使い

「こんにちはー!」

弟のリクが大声で挨拶をしながらドアを開けた


「いらっしゃい、よく来たね」

叔母がゆっくりと玄関に向かって歩いているのが見えた


「あら、珍しいわね。ソラも一緒だったのね」

「こんにちは、お久しぶりです。これ、どうぞ。母から持っていくように言われました。」

「あら!梅酒!ありがとうね。重かったでしょ?」

「はい、なので来ました。リク1人じゃ持てないみたいだったんで」



リビングには白いふわふわした犬がいて、僕たちを舐める

リクと犬はころがりながら遊んでいる



「おばさん、おじさんは?」

「外にいるんじゃないかしらー?」



外に目を遣るが、おじさんの姿は見えない



「ちょっと探してきます」

そう早口に言って、外に出た



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