私は変わる
釉薬
最終話
学校からの帰り道をいつものように歩く。
昔は友達と一緒に帰っていた道も気づけば一人になっていた。
みんな変わって行くとわかっていたつもりでも、私は変わらないと信じていた。
「私も変わろう」
いつもと違う道で帰った。
こんなところあったんだ…
いつの間にか知ってる店がなくなって、知らない建物が建っていた。
嫌だな…お気に入りだった店がなくなったことも、
そのことに気づかなかった私も。
変わりたくない。
私は走りだす。
「ここは変わらないな…」
私は、昔よく遊んでいた廃ビルにたどり着いた。
屋上に行き街を見渡す。
周りが成長していく中、私一人だけが成長していない。
変わろうと思っていても、変わりたくないと思ってしまう。
私には、変わる勇気がない。
だけど勇気を出そう。
そして生まれ変わろう新しい自分に。
この気持ちを応援するかのように風が強く背中を押した。
私は変わる 釉薬 @yu-yaku
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