特別なことは何もない

 こんばんは、このはりとです。


 かなり前に、とある部族の言葉を集めた本を読みました。内容の大部分を忘れてしまいましたが、今でも記憶に残っている考えかたがあります。その部族では、『誕生日は特別な日ではない』そうです。季節がめぐり、生まれた日を再び迎えた、ただそれだけ、と。不思議と「寂しい考えかただなあ」とは思わず、強く惹かれました。

 節目を迎えたかたをお祝いする気持ちは、もちろんあります。ある地点に到達した、成功した、といった姿を目にすると、他人事ながらうれしさが込み上げてきます。しかし、自身のこととなると、「特別なことは何もない」と、心は至って穏やかです。

 本エピソードが百話という節目ですので、ひょっとしたら大きな喜びの感情が、と少し待ってみましたが、どうやらそうはならないようです。言葉が自然にわき、読んでくれるかもしれない友人を思って書く、そんないつもの一話です。



 つづく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る