私のあこがれの先輩

 ここは生徒会室。今日は生徒会長のミュカ先輩と二人きりです。

 ミュカ先輩は、すごく成績優秀できれいで、けれども何か少し近づきがたい雰囲気が少しある私のあこがれの先輩です。可愛いと言うより、美人な先輩です。

 こんな先輩でも、意外な一面があるんです。最近知ったけど、二人だけの秘密って言われちゃったので、他の人は知りません。

 その意外な一面というのが・・・

「あぁ~猫ちゃんかわいいにゃ~。にゃ?ミルクがほしいのかにゃ~?ちょっとまっててにゃ~」

 猫にものすごくデレデレなところです。

 生徒会室になぜ猫がいるのかと言うと、先生が捨て猫をここに連れてきちゃったからです。一応、校長先生にも許可はもらってるみたいなので、その日以来この生徒会室で暮らしています。


「あ、あのー、先輩、今日は私しかいないので大丈夫かもしれませんが、生徒会室でそうしてたら、私みたいに誰かここに来たら私以外の人にバレちゃいますよ。それに、私達だけの秘密なんですよね?」

「大丈夫だよ~。今日は誰かが来る予定ないんだし~」

「まったく。先生がなにかの用事で来ることだってあるじゃないですか」

「気にし過ぎだよ、そんな先生がくるなんて」


コンコン


 ほら言わんこっちゃない。

「先輩、誰か来ました・・・よ」

「どうぞ」

 そこには完璧な美少女がいた。先輩は、夕日がさす窓際で完璧な笑顔でネコを撫でていて、さっきまでの、だらけきったふにゃふにゃな先輩が嘘かのよう。

「あ、ミュカさん。よかった、まだいた」

「どうしましたか?」

「あの、これっ、借りたまま返すのを忘れちゃってて。ごめんなさい。ありがとうございました」

「あら、明日でも良かったのに。わざわざありがとう」

 これが先輩の学校での普通だそう。

「そ、それでは失礼しました」

「はい」


「はぁーーー、びっくりしたーーーー」

 先輩は一気にふにゃふにゃモードになった。ほんの数秒前までの聖女かと思わせるような微笑みが本当に嘘のようです。

「先輩」

「ん~どうしたのかにゃ~?」

「どうして私の前ではその・・・だらけてるというか、その、気を抜いているのですか?」

「え~?かんたんなことだよ。フェリちゃんだから、だよ」

「待ってください先輩。意味がわかりません」

「あー、もうそろそろ帰らなきゃねー」

「露骨に話題を変えようとしないでくださいよ」

「そうそう、帰りに面白そうな細道見つけたんだっ、一緒に帰ろ?」

「まったくもう・・・小学生ですか。でもまぁ、一緒には帰りたいので・・・是非」

 ミュカ先輩は、すごく成績優秀できれいで、けれども何か少し近づきがたい雰囲気が少しある私のあこがれの先輩です。ですが、私にとっては美人な先輩と言うより、とても可愛い先輩です。

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