機械式搾精技術総合研究所

@succubus777

第1話 機械式搾精技術総合研究所

 深夜1時を過ぎた頃、ネットサーフィンをしてる内に、とあるホームページを眺めていた。このホームページに辿りついた検索キーワードは、一体何だっただろうか。

機械姦、搾精とか、その辺だったような気がする。


 真っ黒な背景のホームページの中央に、小さめの動画が貼りつけてあるだけのシンプルなホームページだった。


「この動画の続きが見たいですか?」

動画を見終わると、そんなポップアップが表示された。


 ページのタイトル部分には、機械式搾精技術研究所株式会社と書かれていた。

ペースのソースを見ると、この動画自体は、この会社のサーバから配信をしているようだった。さっきも見たばかりの短い動画を、もう一度再生した。


 小さな動画の中で、真っ赤なボンデージスーツを着た金髪の女性が、

何かピンク色の物体を持って、画面のこちら側に向って何かを訴えるかのように叫んでいる。


 すぐさま画面が転換すると、黒いベルトみたいなものでベッドに拘束された男性がいる場面に変わった。ベッドに拘束された男性の側には、先ほどの赤いボンデージスーツの女性が立っている。


 赤いボンデージスーツの女性は、何か甲高い声で叫びながら、そのピンク色の物体を男性の下腹部に近づけては離す、近づけては離すを繰り返していた。


 よく見ると、そのピンク色の物体は、うねうねと蠢いているようだ。

まるで生きているかのように、ヒクヒクと痙攣して動いたかと思えば、

今度は、唇で何かを食むかのように、ぐにゅぐにゅと動いてみせる。

そして、きゅぽっ、きゅぽっと音を立てていた。


 女性の怪しげな笑みがアップになると、ちゅぽ、ちゅぽと動画から聞こえる音が湿り気を帯びた。


 女性は、満足そうにピンク色の物体から手を放す。

よく見ると、そのピンク色の物体からは、透明のチューブが伸びて、

奥にある機械と繋がっているようだ。


「ううっ!ううーーっ!」

男性のうめき声。

ぐちゅぐちゅと音出して動く、ピンク色の物体。でも、全体的にモザイクが掛かっていてよく見えない。

拘束されているだろう男性の声も次第に大きくなる。


フッ。画面が暗転した。


「この動画の続きが見たいですか?」

動画の最後には、そう表示されていた。


見たい。素直にそう思った。

でも、その一方で、色んな意味で怖さを感じた。

どうしようか。


ブラウザには、ポップアップ表示が出たままだ。


 どれくらい悩んだろうか。

ポップアップのOKボタンを押すと、画面が切り替わった。

ウイルスか?一瞬、背筋がひやりとした。


 カチリと音がして、白い清潔感のあるホームページが表示された。

企業によくあるようなデザインのホームページの体裁をしている。

「搾精技術総合研究所株式会社」


「当社は、医療や介護の現場から、レジャー産業まで

 あらゆる分野での、機械式搾精技術のパイオニアです。」

と書かれていた。


 当社製品の紹介というページには、動画で見たピンク色の物体が、

まるで医療器具かのように紹介されていた。

いや、もしかしたら、本来そういうものなのかもしれない。


 ページの一番下に、控えめな感じの小さなバナーがあった。

「機械式搾精にご興味のある方、弊社製品の体験モニターを募集しています。

 詳しくは、こちらをクリック!」

アニメーションGIFで作られたバナーは、ほんの少しだけチカチカしている。


クリックした。


 次の瞬間、

「モニターに、ご応募ありがとうございました!

 追って、詳細はご連絡致します。」

そうホームページに表示されると、そこから先へのリンクがなくなってしまった。

戻るボタン押しても、画面が戻らない。


 仕方なく直接URLを操作すると、今度は、ブラウザの表示が404になり、

会社のホームページ自体にも繋がらなくなってしまった。


まるで夢のような、手の込んだいたずらページなのだろうか。



 そんな出来事があって数日後、ホームページの事も忘れかけた矢先に一通の封書が家に届いた。


「体験モニターのご案内」

真っ白な封筒には、そう書かれていた。

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