天狗にならずに楽しいことを覚えておくって難しいな……

「天狗になってはいけない」とよく聞く。自分は他の人よりすごいんだ、などと思い上がってはいけない。私はあんな物もこんな物も持っている、と自慢してはいけない。


 学生の頃、他の子が面白そうなゲームを持っているのがうらやましかった。マンガを買ってもらえる人はいいなと思った。しょっちゅうディズニーランドに行っている人がうらやましかった。


「私こんなものも持っているのよ」と聞かされても面白くない……聞いている方は悲しい……だから私も自慢してはいけない。そう思うから私は、褒められても良いことがあってもあまり反芻しないようにしているつもりだ。


 ただ、嫌なことは反芻しまくるし、「うちなんかもっと悪いわよ~」的な話は人にしてもいいものだと思っている。


 結果、嫌だったことばかり話し、文章に書き、記憶に残る。「私はいつも人から褒められるし、良いことがよくあるし、あれもこれも上手だ」なんて思い込んだら天狗になるから。人から叱られ、ダメ出しされた記憶ばかり抱えて勝手に悲しくなっている。


 でもどうだろう……「うちなんかもっと悪いわよ~」と言いまくって誰が得するんだろう。別に私も相手も得しない。というか人の愚痴を聞き続けて楽しい人なんているだろうか。


 それに「◯◯展に行ったら楽しかった」「コンビニスイーツが美味しい」という話なら自慢じゃなくて情報だ。子どもの頃はお母さん頼みでも、大人は自分の人生を自分で選べる。


 自慢とは「私ってすごいんだよね」という話だろう。でも別に「こういうことで褒められてすごく、すごく嬉しかったんだー!!」くらい言っても良いんじゃないか? チョコレートプリンが美味しかった話もたくさんすれば良いんじゃないか? もっと楽しいこと、嬉しかったことを反芻して良いんじゃないか?


 ちょっと、楽しかった話を増やしてみようかな。


 どんな美味しいチョコレートでも「美味しい!」と思いながら食べないと、なんとなくテレビを見ながらつまんでいるうちにいつの間にかなくなってしまう。


 美味しい出来事も味わわないと美味しくないのだ。もっと美味しいことを探して、見つけて、味わって、反芻しなきゃ。


 そんなことを思った。





 ご覧の通り人生甘党です。甘い人生を注文しているんですがまだ届きません。

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