カメムシ差別
ある日窓を開けると、小さな黒い甲虫がひっくり返ってジタバタしているのが目に入った。
小さな甲虫たちの種類はほとんど把握していない……が、小さな甲虫に噛まれたことはない。そこで起き上がれるようにと指を差し出した。
虫は指につかまり、ゆっくり起き上がる……かと思ったら、スススッと結構な速さで指を上ってきた。その姿を見ると、種類は分からないがカメムシだった。
それを見た瞬間、私は思わずカメムシを放り投げてしまった。
カメムシは下に落ちてひっくり返り、またバタバタと暴れ始めた。
私は以前カメムシに刺されて以降、カメムシが苦手なのだ。実際に刺された瞬間を確認したわけではないが、ある晩パソコンのキーボードを打っていたところ突然左足に激痛が走り、ビックリして飛び上がったあと痛みの原因を探していたら床にカメムシがいたのだ。
……と、そういうことがあって以降カメムシを手に乗せることができない。
とはいえ一度助けようとしたのに放り投げるなんてひどいことをしてしまった。カメムシ差別じゃないか。
再びひっくり返ってしまったカメムシを今度こそ起こそうとしたが、少し目を離した間にカメムシはいなくなっていた。
今度からよく分からない虫に手を出さないようにしよう。あと、差別問題とかを軽々しく批判しないようにしよう。
自分の心にだって差別心はあるのだから……。
*
ちなみにカメムシが刺すのは相手を敵だと思っているからではなく、食べ物だと思っているからである(多分)。
肉食カメムシ(サシガメ)に刺されると痛いらしいが、草食カメムシも刺してくるという情報があった。草食なのに何故。
いずれにせよ、積極的に襲いかかってくるとかはないはずなので、手を出さなければ大丈夫。最近私はカメムシやサシガメの写真を何度か撮っているけれど、カメムシの存在に気づかなくて刺されたあの日以降、一度も刺されていない。
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