第8話

(私の訓練が始まって2週間くらいに経ちました。特に任務も無く訓練をして過ごしていました。今は銃の簡単な整備中です)


あーこの20ミリ対物ライフル、確かカラドボルグだっけ?整備がめんどくさいのだけが欠点なんだよねぇ〜


はぁぁぁぁ、分解してから組み立て直すのにかれこれ2時間経ってるんですよ。コレで最短。まったくこれだから帝国製の武器はダメなんだよね、パーツが多すぎる。


「なんかそのライフル、帝国のぽい作りをしてますよね」


「ぽいって言うかコレ、帝国製だからね? 私が使ってるから共和国製だと勘違いする人いるけど」


「そうなんですか……にしてもこんな銃、見たことも聞いたことも無いですけどね」


「……まぁ色々あるのよ。この銃にも」


そう言いながら私は組み立て終わった銃を撫でた。


これを作ったあの人は今、元気だろうか?


その疑問に答えるかのようにカラドボルグの銃身が太陽の光を反射して光り輝いた。


「そうなんですか」


(その時の彼女はなんと言うか儚い感じが出ていた。その表情は共和国最強でもやはり私と同じ人間なんだなと思わせた)


ドアがノックされ


「失礼します」


と言うルシフェルの声で私の意識は現実世界に戻ってきた。


「アイリス様、司令官がお呼びです」


部屋に入って来たルシフェルが言う。


司令官って事は任務だろう。


次の任務はいい加減に前線に行きたいものだ。


私はそのために軍に入ったのだから。
















私は司令官の部屋をノックして部屋に入る。


「司令官、任務ですか?」


「あぁ、その通りだ。喜べ、今回の任務は前線だ」


ようやく前線に行ける。


簡単に言うと今回は敵の拠点に対して砲撃を行いたいが、その拠点には多数の帝国の最新鋭戦闘機が多数配備しているので正確な砲撃をするための観測機が出せない。


そこで私の出番って訳だ。陸から隠密行動で侵入し、帝国の飛行場や格納庫の位置を知らせてくれと言う訳だ。


「了解です……しかし、その拠点は確か無線を使うと逆探知されるんですよね? どうやって位置を知らせれば良いのでしょうか?」


「それに関しては……コイツを使えば解決だ」


私は司令官からスモークグレネードを5個受け取った。


「スモーク……ですか?」


「あぁ、このスモークグレネードは特殊でな。まずスモークは目立つように赤色になっている。そして、普通のものよりも煙が横に広がらず、他のものよりも上にのぼるように改造されている。これで砲兵隊も良く見える」


大丈夫かな……ちょっと不安だがまぁ良いでしょう。


「分かりました。では……行ってまいります」


「あぁ……途中まで装甲車で行くと良い。確か一台空いてたはずだ」


「……了解」


私は自室に戻るとショルダーホルスターにナイトメアを納め、カラドボルグを背負う。


「エリ、ルシフェル、出撃よ。今回は前線に行くから覚悟しなさい」


「「了解です」」

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