第7話

私たちはその後、基地の食堂に向かった。


私は食堂で働いている少女からパンとスープをもらう。


「……あなたがここに居るの未だに慣れないわ」


と、食堂の少女……ルシフェルに言う。


「これも人助けの一つ、神官の仕事ですので」


あなた一応、メイドだけどね。


と心の中で呟いた。


「ルシフェルさんって何でも出来るんですね」


とエリが言う。


「えぇ、法国は結構厳しい所でしたので」


法国怖いなぁ……


「ま、頑張ってね。じゃ、席に座ろっか」


空いてるところは……あ、奥の方、空いてる。


「あの奥の方に座ろ」


「良いですよ」


さてと、座れたので早速朝食食べよ。


「そう言えば……帝国では狙撃手って結構嫌われてるイメージがあったんですけど……ここでは違うんですね」


いやー……それはその……


「あんたが帝国の新入りの娘か。なら知らないのも無理はないな。コイツだって昔は安全地帯から撃ってるだけで英雄とか言われてたんだがな。そう言うことを言ったやつをコイツは片っ端から自分と同じ任務に行かせたんだ。そこでみんな狙撃手の辛さを学んだよ。

オレもその一人でな。コイツに敵地偵察任務に連れてこられた時はめちゃくちゃ怖かったぜ」


と、隣の席の兵士が言う。


うん、そんな事したした。


「懐かしいわね……任務に一緒に連れていった人たちは二度と私に嫌味とか文句を言わなくなったわ」


「そうなんですか」


(やり方が怖い……)


「砲兵隊員は元からあんたに感謝してるぜ。いつも弾着観測をしてくれてるからな」


とまた別の兵士が言う。


「コイツって狙撃手だったのか?負傷した兵士を前線で担いでたからてっきり衛生兵かと思ってたぜ」


「……わーたーしは狙撃手よ!」


私はそう言って私を衛生兵と言った兵士の足を思いっきり踏みつける。


別に衛生兵は悪くないが……ごめんなさい、衛生兵の方々。


「いってぇ! 冗談だろ? 何も踏みつける事はねぇだろ」


私はパンをスープで流し込んだ。


「エリ、食べ終わった?」


「は、はい」


「よし、じゃあ訓練に戻るわよ」


「了解」


「ベオウルフさんよ、訓練をあんまり厳しくやるなよ? お前みたいなのが増えたら帝国の軍事予算が涙目だ」


「そんなに厳しくはやらないわよ……」


まったくこの中年突撃兵は。


「……この基地にいる人、優しいですね。私は元敵兵なのに嫌がらせ一つ無いなんて」


「……この基地にはあなたをいじめる人なんていないわ。もし居たら今度はソイツを帝国軍に入れさせてやるわ。さ、訓練を始めるとしましょうか」

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