第13話 忘れられない恋 八
「いや実は…、」
そして、意を決して和紀は理沙に告白する。
「理沙さん!
あ、あの…、僕と付き合ってください!」
それは、自分の中の勇気を120%振り絞ってした告白であった。
「…はい。喜んで!」
「…えっ、いいの!?」
和紀は理沙の返事に驚き、そう言葉を漏らす。
「もちろん!」
「ありがとう!」
その後、2人は時計台近くのベンチに座り話をする。そして2人はお互いに、特に体育祭の実行委員になってから気になる存在であったこと、そして一緒に準備をするにつれ徐々にお互いに想い合うようになっていたことなどを確認した。
その後その曇り空から、その年の初雪が降ってきた。
「何か、付き合い始めたその日に初雪が降るなんてロマンチックだよね!」
理沙がそう言うと、
「そうだね!」
と和紀が返す。
そして和紀が用意していた折りたたみ傘をカバンから出して理沙に差し出すと…、
「ここ、入っていい?」
理沙がそう言い、和紀が先に差していた傘の中に入ってくる。
「も、もちろん、いいよ!」
そう言って和紀は自分の傘を理沙の方に少し傾ける。
「これから、傘は1本だけでいいからね!」
「分かった!」
そして2人は、手をつないでその日は帰った。
また和紀はこの日の帰り道、
『『付き合う』ってことは、こういうことなんだな。
これから、いっぱい想い出作りたいな。』
と、2人が入った傘の中で思うのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます