君と僕

市瀬響歌

第1話 最悪な出会い

 どこか懐かしい音。

 なんだろう、この音。トランペット……?あれ、隣で男子が吹いてるじゃん。誰だろ。てかなんで私気づかなかったんだろ?耳遠くなった?そんなまさか。

 ていうか、私フルート持ってる……なんなんだろ、これ──。


 ピピピピ……ピピピピ……。

「ん……んん?うるっさいなぁ……」

 私は重い手で目覚まし時計を止めて、ゆっくり目を開いた。

「うっ……」

 眩しい。ベットの横にある窓から光が差し込んでいる。

 あれ……?ちょっと待って、今何時?

 すぐ目覚まし時計をみる

「8時半!!??」

 一気に目が覚めてベットからバッとでる。

「遅刻する!!!!高校の入学式初日に遅刻するううう!!」

 あ、私は今日高校デビューをするのです!!!!なのにぃ!あと20分で行かなきゃ初日から遅刻する!そうなったらヤバいって!早く着替えなきゃ!制服を手に取る。

「うわぁぁ〜!」

 あ、思わず口に出してしまった。とうとう私も高校生になると思うとワクワクする。一生懸命勉強も頑張って、部活も!何やるか決めてないけど。そしてなんと言っても1番の目標……彼氏を作るのだ!!!べ、別に、彼氏出来たことないわけじゃないし!

 あっ、違う違う!急がなきゃいけないんだった!急いで制服に着替え、髪の毛をポニーテールに結ぶ。そして自室がある二階から一階のキッチンがあるリビングへ階段をドタドタ駆け下りる。うわっ。しまった!

「ドンッ!」

「いったぁ……」

 足を滑らせてしまった…尻もちついただけですんだのが運良かった。これで頭打って救急車行きだったら高校デビューどころじゃなかった。

 やば、急がなきゃ!

 リビングに向かう。

「あれ、お母さんもお父さんもいない」

 あ、そうだった。お母さんもお父さんも共働きだから8時には家出てるんだった。だからさっきうるさくても怒られなかったのか。なるほどね〜。

 パンを焼いて口にくわえながら靴を履く

「あっく!」

 熱い。焼きたてだからかぁ。はあ、今日はついてないな……。

「いっえきあーう」

 これでも「行ってきます」と言ったつもりだ。パンをくわえてるから上手く喋れない。熱いし。

 走んないと入学式に間に合わない!!あーでも、学校が歩いて行けるほど近いからまだ良かった。てか、パン加えて走るとか少女漫画かって……。道の角でイケメンとぶつからないかなぁ。

 そんなことあるわけないか、私の青春はどこへ……。

「うわ!」

 しまった……本当に誰かにぶつかった。ついに私の青春が始ま、る……?

 え、誰?そこに立ってんの。ただの会社出勤前のイライラしてるおじさんじゃん。うわぁ、めちゃくちゃ睨まれてるし。

「す、すいませn」

「チッ。邪魔なんだよクソっ」

 ん?今、舌打ちされた?邪魔?クソ?はああ!?ふざけんじゃないわよ!謝ってんだからせめて最後まで言わせなさいよ!

 しまった。足を擦りむいた。最悪だ。はあ、もう本当に今日はついてない!イライラするぅぅ〜!

「やっば、あと10分」

「はぁ、はぁ、はぁ。つ、つい……た……」

 えーっと、私は2組か。クラスまでいっそげぇぇ!!

 ……。ん…?あれ……ここ、どこだ……。

 私の学校はお金持ちだから校舎も広い。ここ、どこ?2年生のクラスだ…どこよここ。

「なんで無駄にこの学校広いのよ……!」

 ボソッと呟いて階段に向かうため角をまがる。

 あ、嫌な予感。

「うわっ」

 やっぱりぶつかった。はぁ。今度は誰…よ?

 うわぁぁ〜!イケメンじゃん!キタキタ私の青春!!ここで「大丈夫?」とか言われて手を……。

「うふふ」

「何笑ってんの?痛かったんだけど、てか誰?」

 え、思ってたのと違うんだけど。なにこれ。爽やかな顔しといてこの口の悪さ。初対面よ?

「え、あ!ごめんなさい……」

「別にいいけど」

 うわぁ。対応冷た。え?てかなんでこの人も今ここにいんの?

「あの……どうしてここに?あ!もしかして先輩!?」

 先輩だったらやばい……!変な奴だと思われる。

「俺1年」

「なんだ同級生か」

 良かった〜同級生で。

「なんだってなんだよ。お前もどうせ1年だろ。チビだし」

 こいつ今チビっていった?私の事。

「チビじゃないし!あんたがでかいの!

 あ、そうそう。なんであんたここにいんの?」

 急に黙るじゃん。なんなのよ。

「まさか……迷った?」

 ニヤニヤしながら煽ってみた。どうだどうだ!

「チッ。この学校が広いのが悪いんだよ

 どこが1年の教室かわかんねえんだよ。教えろ」

 うわ、素直に認めなさいよ。全く。

「私も迷ってるんだけど……。あ、人にものを頼む時は教えてくださいでしょ!?」

 まあいっか。と思い校舎の案内地図をみて2人で教室にむかう。焦るもんじゃないな。ちゃんと地図見れば行けたし、てかこいつこの冷静さで迷うとか。

「ふふ」

「おい何笑ってんだ気持ち悪い」

 うわ、こいつ最低だ。

「気持ち悪いってなによ。酷いなぁ。てか、1年の階まできたけどいつまで着いてくんの?あんた何組よ」

「2組」

 え、嘘でしょ……?そんなことある……!?

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