彼女が越してきたのはそれから2週間後の朝だった。

彼女は俺を見るなり

「ただいま」

っと言って優しく微笑んだ。

あの時自分が一定の相手に対してしゃべりかけれるということを知った俺は

「……おかえり」

本当はもっと愛想良くしたかったがなんせ3年も誰とも関わってなく、さらにその久しぶりの会話がこんな美少女だと自然と緊張してしまうものだ。

俺に尻尾があったらブンブンと振っていたかもしれない。

そのくらい、彼女と顔を合わせられるのは嬉しかった。

「…………」

「……もしかして、私に会えて嬉しかった？」

「！？」

バレた。そんなに顔に出てたのか？

俺がそんなことを考えていると彼女はニマニマと笑っていた。

思ったより天真爛漫な女性だったみたいだ。

「これからよろしくね？桜君。」

これからこの家は騒がしくなりそうだ。

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