1st Movement #3 Can't be Lost.
58th A New Plan.
俺はガレージの自室にいた。応接机と椅子にはいつもお世話になっているSUNARM《サンアーム》社社長、それに前回、修理してくれた女の子が座っている。彼女の名前はキサラギというらしい。
社長は言った。
「リリスの戦闘データは見せてもらった。それであれから俺たちで検討した改造案はこいつだ。」
バンッと社長は机の上に大きな設計図面を幾つも出した。
社長は続けた
「装甲は原則として取外し。フレームはほとんど
そういうと隣の女の子を指差した。
彼女は少し恥ずかしそうに答えた。
「裸というのはちょっとアレなので。」
「分かった。やってくれ。」
俺は即答した。
社長は話を続ける。
「あともう一つある。これは、リリスからの要請だ。」
社長はそこで言葉を切ると、タバコをふかした。深く息を吸って吐き出すと白い煙がもくもくと口から出た。
「ここだ」
社長はそういうと指で図面のコクピット部分を指差した。
「
俺は少し考えたがすぐに答えた。
「いや、やろう。これはやるべきなんだ。」
社長は驚いたようにこちらの目を見返した。
「お前、その時はもう二度ともどれねぇぞ。」
そういうと社長は鋭い目で俺の眼を見た。
「構わない」
「お前が負けても誰もお前を責めやしねぇ。」
しばらく間があった。
俺は何も言わなかった。ただ目を反らさなかった。
「はぁ。分かった。このプランでいく。
しかしなぁ。
お前、俺達の作ったコクピットで死ぬなよ。」
俺は答えた。
「…。分かってる。」
社長は席を立つと頭をポリポリ掻きながら部屋を出ていった。女の子も後ろに続いて出ていった。
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