36th A Compass-Needle.

アルカディア 山中ガレージにて


俺は外でぼんやりと日光を浴びながら山の木々がざわめくのをただ聴いていた。なにをするもどうすることもできない日々を過ごしていた。ただどうやっても勝てそうにない相手が眼前に立ちはだかっていることだけは分かる。


シュッとコンソールが浮かぶとエレナが告げた。

『ご主人、母よりお告げがありました。』


「お告げ?」

『はい。西方の寺院へ行きなさい、と。』


少し間があった。遠くで鳥が鳴いた。

「そりゃあ一体なんなんだ?俺に出家でもしろってことなのか。」

『私にもさっぱり分かりません。』

「まぁいいか。どうせ行き詰まってたところだ。敵が攻めてくる様子もないんだろ?」

『はい。それは問題ないと思います。』



俺はわらをもつかむ気持ちで重い腰をあげた。

上空には、青々とした空が広がっている。

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