25th A Clinic.

~~~


声が聴こえる。


「手術は必要ないみたいね。アイリ?」

『はいマスター。出血はありませんが、脳波の乱れそれに脾臓が少し傷んでいます。アブフロトキシン 2mgの投与が推奨されます。』

「いいでしょう。異変があったらすぐ教えて。」


視界は真っ暗なまま、また深い意識を失った。


〜〜〜


目がさめた。ここはどこだ?

身体を起こそうとすると全身に少し痛みがはしった。周りを見渡すと病院?というよりは診療所のようだった。窓からは遠くに緑と町並みが見え、風がカーテンを揺らしていた。隣に白衣の女性が足を組んで座っている。医者のようだ。端末を見ている。その後ろには修道服のシスターが立っている。


「起きたみたいね。私はガーネット、医者よ。」


その時、パタパタと廊下を駆ける音がする。

「先生、お水を持ってきました。」

そういうと少女は水入ったガラス瓶を棚の上に置いた。


ありがとう

・・・

・・


二言三言話すと少女はまた走り去っていった。


「娘さんですか?」

「そうよ。かわいいでしょう。」


「それに弟もいるの。」


そういうと彼女はお腹をさすった。薬指には銀の指輪が光っている。

「突然でびっくりしたわ。だけどもう大丈夫みたいね。あなたは私が出産前の最後の患者さんよ。」

「それはおめでとうございます。病院は大丈夫なのですか?」

「そうね。私がいない間はシスターが診てくれるの。」

そういって彼女はシスターの方を見た。シスターは静かに礼をした。

「あなたには彼女の方がよかったかしら?」

彼女はいたずらっぽくニコッと笑った。



「いえ、そうでは、、、」

俺は少し顔を赤くしてうつむいた。


彼女はやさしい声で言った。


「大丈夫。明日で退院よ。

 あなたもいろいろあると思うけど




 命は大事にしてね。」


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