17th Meeting with Newbie.

早朝にエレナから通信が入った。

『おはようございます。早速ですがミッションがあります。』


俺は朝起きてコーヒーを淹れるところだった。歯磨きはさっき済ませたばかりだ。


「おはようエレナ。ちょっと早すぎないか。」

『いえいえ。いつもこの時間には起きてらっしゃるでしょう?』


腕時計を見るとまだ朝の6時を回ったばかりだ。エレナはマリアと違って少しばかりいたずらっ気があるようだ。まだ若いのだろうか。というかAIにも若さがあるのだろうか。俺は少し呆れたようにため息をつくと答えた。


「それで?」

『はい。モロッカ平原にあるエネルギープラントを破壊してください。』


一瞬で眠気が吹っ飛んだ。目を見開くと続けざまに聞いた。


「敵の戦力は?」

『旧式の戦車5、無人機は20が予想されます。』

「僚機は?」

『僚機は不要と判断しました。』


気のせいかエレナがニコッと笑ったような気がした。


「分かった。受諾しよう。」

『ありがとうございます。では当日もお供しますのでよろしくお願いしますね。』

「こちらこそ。ヘマするんじゃないぞ。」

『しませんよ。これでもマリア様の娘ですから。貴方こそ人間なのに大丈夫ですか。』

「俺を誰だと思ってるんだ。」

『了解です。それではッ!マリア様のご加護がありますように』

「マリア様のご加護がありますように」


そういうと通信はプツッと切れた。

俺も新人についのせられてしまったようだった。


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