私はあなたの彼女にはなれません。

@Ssuo

第1話 付き合ってください

「好きです!付き合ってください!」

彼女は一瞬だけ。ほんの一瞬だけ笑顔を見せたが、

「ごめんなさい。私はダメなんです。ごめんなさい。ごめんなさい。」

小池千春は泣きながら謝りその場を後にした。

僕は彼女の泣き顔を思い出しながらぼーっと空を眺めてた。


「颯大、お前バカじゃねーの?!」

昼休みの教室に光一の大きな笑い声響く。

光一は俺の小学校からの仲だ。

「うるせ、そんなに笑うな!みんな見てるだろ。」

「だって同じクラスになってまだ一週間もたってないのに告白するって、バカ以外の何者でもないだろ」

「お前が誰かに取られちまう前に告れって言ったからだろ!」

「あんな冗談、真に受けるなよ。だって小池は高一はほとんど学校来てなかったんだぜ。親しいやつなんているわけないだろ。だからお前は勉強できてもバカなんだよ」

「そんなの知るわけないだろ!」

「そんなことも調べなかったのか」

ぐうの音もでない。

「まず俺に恋愛相談をするのもバカだよな」

自分で言うのかよ。あんなにまかせとけとか言ってたのに

「けどさぁ、なんか違うんだよな。別に俺のこと嫌いってわけでもなさそうだし」

「出逢って一週間でたった一回挨拶した程度で好き嫌いもあるか」

確かに

「けどけど、一瞬だけ笑ったんだぜ!」

「気のせいだ」

「けどけどけど、謝る回数もおかしかったしなんかすごくもうしわけなそうだったし。」

「よっぽど、生理的に無理だったんだろ」

「けどけどけどけどー、」

「もう、うるせー!次、移動授業だから急ぐぞ」

「ちょっとまってー」

結局、なんで泣いたのか質問してない。まあ、どうせ泣くほど生理的に無理とか言うだろうけど、


 放課後。俺は考え事をするときはいつも寄り道で団地の近くの公園に行く。

結局、あの涙はなんだったんだろう。どうしたらよかったんだろう。

と考えながら向かっていると。女の子の泣き声がする。どうやら先に先客がいるらしい。

しかもどこかで聞いたことある泣き声。小池さんだ。

僕は公園の外で少し様子を見ることにした。

「どうして、どうして私はこんな目に遭わなくちゃいけないの?」

もしかして、そんなに僕の告白が嫌だったのだろうか?!どうしよう、どうしよう。

すぐさま立ち去ろうした瞬間、思いっきり滑って転んでしまった。

「いてぇー!」

「大丈夫ですか?」

そこには小池さんがいた。

「こ、ここ、小池さん!、この度は誠にあ、ありがとうご、ございます!」

思わず、片言になってしまった。恥ずかしい。

「も、もしかしてさっきの聞いていましたか?」

なんとか誤魔化さないと

「べ、別に、全くこれぽっちも全然一ミリ全然全然」

「聞いてたんですね」

なぜバレた?!でも、だからこそ言わなければ。もう我慢できない。

「そうですよ!聞いてました!」

僕は泣きそうになる彼女に勢いで言ってしまう。

「男が女の泣き声なんて聞いたらほっといておけるわけないでしょう!!しかも一度惚れてしまった女なら嫌われててもなにがなんでも力になってあげたいじゃないですか!」

すると、彼女は笑った。その時の彼女の笑顔はとても可愛いかった。

「心配してくれて、ありがとうございます。」

「やっぱり泣き顔より笑顔の方が可愛いじゃないですか。」

「か、可愛いだなんて。あ、ありがとうございます。」

「え、口に出てましまた?!

「はい。」

嘘?!心の中で言ったつもりなのに。恥ずかしい!

「つ、つまりですね。なにが言いたいのかと言うと。高校一はあまり登校してなかったから大変だと思うし、せっかく同じクラスになれたわけですし、だからその手助けというかなんと言うか。僕と友達になってくれませんか!!」

「はい!こちらこそよろしくお願いします!」

そして、僕と彼女は友達になった。

「そういえば、名前なんて言うんですか?」

「そういえば、言ってませんでしたね。僕は須藤颯大といいます。」

「私は小池千春。千春って呼んでね。これからよろしくね颯大くん!」

「は、はい!」


その後家に帰ってすぐ布団で悶えた。

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