スケベ秘術でエッチチチ異世界ぼいんぼい~ん性活 真面目系クズがさけぶ《小手先のエロスより 俺は今、愛がほしい》

顎哀夕田天

第1話 VS勇者戦 逆転の鍵は乳頭にあり!

「死ねーッ魔王ー!」

「ヒィッ」



 右手にテーブルナイフを持った男が、角の生えた幼女を追い回す。



「あなたはこんなかよわい児童を襲うのですかっ! 恥知らずっ! 社会の敵っ!」



 幼女は腰を抜かしたまま、捲したてる。



「魔王は300歳と聞いたぞ。そもそも人間でもなければ、児童でもないだろ!」

「ヒェェ」



 男は魔王を壁端まで追い詰める。



「うぅーロリコン強◯魔だぁ~」

「俺はロリコンじゃない! ……痛くはしない。これは現実に帰るのに必要なことなん……だッ!」

「ふぎゃっ!?」



 男はテーブルナイフを突き出し、魔王は転がって回避する。

 ナイフは僅かに魔王の角を掠めた。



「フー、フー、魔王コロス……コロス……」

「……ちょっと待って! 待って下さいっ! ここはあなたの世界で言うところの……RPGのような世界なんですっ! 他の転生者のように冒険したいと思いませんか!?」

「別に? 不動産あるし」



 男は会話を続けつつ、壁掛けのサーベルを抜く。



「はわわ……」



 魔王は這いずりながら逃げ回る。

 男は確実に距離を詰めていく。



「電柱が腹部を貫通するよりは痛くないから大丈夫。一瞬だから! 天井の染みを数える間に終わるから!」



 魔王は壁の隅へと挟まった。



(死にたくない……死にたくない! 考えるんです。魔族人生300年。これまでの人生経験をフル稼働させて絞り出すんです……っ! こういう場合、こういう場合は……)



 男は壁隅手前で足を止める。



(ふぐぅぅ。ダメですっ。よく考えたら300年ごろごろしてただけで何もしてませんっ。人生経験なんてありようがありません)



 男はサーベルを高く上げる。



(あわわ……どうしましょう。何か……何処か、ヒントを……! 男の見た目……制服……男子中高生……)



 サーベルが勢いよく振り下ろされ――



「すけべ!」



 ――魔王の寸前で止まった。



「……スケベ秘術に興味はありませんか?」



 魔王は恐る恐る顔を見上げる。



「……スケベ秘術……だと?」



 サーベルを構えたまま男が問いかける。



「せっ先代のサキュバスの血によるものなんですよぉ! 私はMPが低いので使えませんが、あなたに伝授させることは……」

「……それは」

「?」



 口ごもる男と、首をかしげる魔王。



「それは、アプリとかで何かしちゃったりするやつかな」

「よくわかりませんが、何かしちゃったりするやつですね」

「……」



 男はサーベルを構えたまま考え込む。



「あのー……」



 少しの沈黙の後、男はサーベルを左手に持ち替え。



「工口(こうくち)だ。よろしく」

「魔王ペドオルエです……よろしく……」



 二人は固く握手を交わした。

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