大正百鬼夜行~仙妖修行編~

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前談 浜辺の歌

あした浜辺を さまよえば

昔のことぞ しのばるる

風の音よ 雲のさまよ

寄する波も 貝の色も


ゆうべ浜辺を もとおれば

昔の人ぞ しのばるる

寄する波よ かえす波よ

月の色も 星のかげも


はやちたちまち 波を吹き

赤裳のすそぞ ぬれひじし

病みし我は すべていえて



「浜の真砂まなごいまは……」

ヒュオオオオ……

「この歌は良い歌だ。歌い出すとつい最後の方まで歌ってしまう。」




「だけど、私には風の音も波の吹く音も…全て「想像」出来てしまうんだ。」




大正百鬼夜行~仙妖修行編~

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