I am……
アア、そこの貴方……失礼ながら、私は、私は、ドナタでございましょうか。
その蝋燭のたくさん立ったケーキを、私にくれるのですか。
〇
自己紹介を、させていただきます。
私は、橋本健と申します。
好きな食べ物は、おスシと水ヨウカンです。
身長は百八十センチ、体重は七十キロ、齢は今年で……エエト、十八になります。
好きな色は、紺色です。
趣味は、キャッチボールと食べることです。
私は、三千五百グラムほどで産まれたようです。
私は、十か月でニソクホコウができたそうです。
私は、二歳でチチバナレをしたそうです。
私は、三歳で自分のキモチを伝えることができたそうです。
私は、四歳で幼稚園で仲の良い近所のオトモダチができたそうです。
私は、五歳で運動会のカケッコで一位になったそうです。
私は、六歳で盛大に転んでピカピカのランドセルに傷をつけてしまい大泣きしたそうです。
私は、……私は、……。
私は、十七歳で初めてチナツという恋人ができたそうです。
私は、十八歳の今、チナツと一緒に暮らしております。
私は、彼女に、毎日新しいことを教わっております。
ニンゲンは、毎日学んでゆくもの。
ですから、私はなんであろうと、私なのだと、彼女は言います。
――たとえ、私が十七歳までの私のことを知らなかったのだとしても。
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