第44話 終わる体育祭

遂に体育祭は閉会式となって行った。

閉会式の後には俺のホントの勝負が待っている。

校長先生には悪いが秘技を使い、なんて言うかまた考えていく……


「これにて、体育祭を閉会いたします。一同、礼!」


こうして、俺の初めての体育祭は無事終わった


「え〜それでは、ここからは告白タイムといたします。まずは3年生から、告白したい人は朝礼台に並んでください。」


すると3年生の先輩達は、ものすごい勢いで、朝礼台に向かって走っていく。


「付き合ってください!!」

「はい!」


キャーやフーなど歓声が上がる。

だが俺はそれどころじゃない。

緊張して心臓が暴走し出す。

2年生が終わり、いよいよ1年生となる。


「それでは、最後に1年生で告白したい人は朝礼台に並んでください。」


俺はリレーと同じくらいのスピードで走り、1番に朝礼台に着いた。


「名前は?」

「はっ、はっ……今井、春樹です。」

「それでは、今井春樹君の告白です。どうぞ!」


深呼吸をして、覚悟を決める。

大きく息を吸い込む。


「七菜美ー!俺と、明後日の日曜日、デートしてくれー!!」


昨日予定がないのは聞くことが出来た。

あとは、七菜美が俺とデートしたいか、したくないかだ……


「はい!よろしくお願いします!!」


今までで1番美しい笑顔で七菜美は承諾してくれた。

周りは一瞬静まっていたが、数秒遅れて拍手がわき起こる。

違うクラスの人が2人告白して、告白タイムは終了した。


秋大達の所に笑顔で駆け寄っていく。

すると、駿介がこちらに走ってくる。


「駿介〜やったよ〜おっ!!」


突然肩を掴まれビックリした。


「春樹!デートって何?!普通付き合ってくださいとかじゃないの?!」

「え?だ、だってさ、服汚れてるし、全然ロマンチックじゃないし……」

「は?な、なんだそりゃ……」

「駿介、こいつはもう手遅れだ。恋もしたことないくせに恋愛系の漫画やラノベばっかり読んでたから。無駄にロマンチストなんだよ……」

「手遅れとか無駄とかなんか酷くない?」

「なら仕方ないか……」

「いや、駿介も納得するなよ!」

「「まあ、頑張れや!」」


ディスられて、応援されて、なんなんだよ……


ホームルームが終わり、七菜美に

「時間とかまた後で伝えるから。今日はお疲れ!バイバイ!」

「うん!お疲れ。バイバイ!」


うひょひょーい

気分が浮かれまくったまま、秋大達と3人で帰った。


「いや〜あそこでデートの誘いとはねーあははははは!」

「いや〜春樹すげーな!あはははは!」

「やかましいわお前ら!お、俺だって真剣に考えた結果の事だ……」

「ま〜頑張りなよ〜」


2人と別れ、家に入る。


「ただいまー」

「おかえりー明後日楽しみね」

「ゲッ、あの時まで残ってたのかよ……」

「当たり前じゃな〜い。春樹の事だからと思って残ってたのよ」

「にしても春樹、あの流れでデートの誘いとはおもしれーな!あはははは!服は明日選ぼうぜ!」

「ありがと。じゃあ、ご飯出来そうなったら呼んでくれ」


手洗いうがいを済ませ、部屋に上がる。

スマホを手に取る。

この時間だと、七菜美は帰っているだろう。

で、電話していいかな?

電話の方がわかりやすいよね!うん!そうだ!

通話ボタンを押すと、すぐに七菜美が出た。


「もしもし春樹?」

「あ、あーもしもし。明後日の事なんだけど今時間ある?」

「うん!大丈夫だよ!」

「と、とりあえず七菜美が前言ってた映画見ようと思うんだけどどうかな?」

「ほんとに!?やったー!嬉しいよ!」


あ、やべぇ。その声を聞けただけで嬉しすぎる


「お、おう……他に行きたいとことかある?」

「ん〜そうだね……あ、あった!」

「どこ?」

「え、えっと……ひ、秘密!時間とか私が決めてもいい?」

「え、でも誘ったの俺だし……」

「私が決めたいの!」

「ああ、じゃ、じゃあ、よろしく……」

「じゃあ、明日また電話するね〜バイバイ」

「おう。バイバイ!」


電話が切れた。

七菜美の行きたいとこ、どこなんだろ……


夕食を終え、風呂に入り、部屋に戻る。

時計を見ると、まだ9時半だったが、体は疲れているので寝ることにした。

ワクワクする気持ちを押しこらえ、布団に入る。

最初は眠れなかったが、疲れがワクワクを上回り、次第に瞼は重くなっていった……




~あとがき~

体育祭編、終わりました!

遂に、勝負のデートへ向かっていきます。

お楽しみに!

最初映画は7月中旬となっていましたが、予定が変わったため、6月と変更されていただきました。

ご了承ください。

これからも、よろしくお願いします。

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