第36話 練習初日
七菜美と呼ぶのも少し慣れた頃、俺たちの学校では体育祭の練習が始まろうとしていた。
「それじゃあ、着替えてグラウンドに集合だ。遅れんなよ〜」
女子が着替えに教室を出たところで、俺たち男子も着替える。
すると駿介がススッとズボンを脱ぎながら近寄り、小声で話す。
「おい春樹、お前体育祭の終わりに告白のやつやるのか?」
「なんだそりゃ?」
「春樹知らないのかよ!?体育祭の最後に3年生から順に、朝礼台で誰でも告白ができるってやつ!」
「そんなんあるんだな」
「なんか興味無さそうだな……」
「別に公開告白する必要はなくないか?」
「この公開告白にはジンクスがあるんだよ!一生寄り添えるっていうジンクスが!」
「ん〜でもジンクスって科学的根拠が……」
「は〜理系頭は困るよな〜じゃあ、逆に坂石さんが告白されてそこで付き合ったらどうすんだよ!春樹が1番に行かねーととられるかもだぞ!」
「む、た、確かに……まあ、考えとくよ……」
「そうしといてくれ……」
そう言って着替えるのを再開する。
駿介とはテストが終わってかなり仲良くなった。
七菜美に告白して振られたと聞いた時はさすがに驚いたが……
今では駿介を含めた5人で行動することが普通になっている。
着替えて外に出ると、ほとんどのクラスが並んでいた。
今日は1年生だけなのでまだ少ないが、全校生徒となるとどうなることか……
それにしても暑い……
6月とはいえちょっとおかしくないか?
そう思いながらも、自分のクラスの所に並ぶ。
俺と七菜美は、学級代表なため、1番前に座る。
「今日は暑いね〜!」
「だね〜倒れないよう気をつけてね!」
「春樹もね!」
七菜美もみんなの前では恥ずかしいのか、春樹の部分だけ声が小さくなった。
にしても今日も可愛いな……
普段下ろしている髪が1つ結びになっている。
可愛すぎる……
思わず見とれていると、俺の目を覚ますように校長が話始めた。
歳をとると話は長くなるもんなのか……
炎天下程はいかないものの、かなり暑い中しばらく話を聞かされた。
俺は聞いてるふうに校長の目を見ていたが、思考はお昼ご飯だ。
これぞ秘技、話聞いとるふうで考えていることは全く別!!
体育の教師に変わり、今日の授業内容を説明していく。
「今日は行進の練習を綺麗になるまでやるぞ!
それが終わったらラジオ体操だ!」
体育祭の種目は基本好きなのだが、行進だけは何故か好きになれない。
なんか縛られる感じで自由にできないというか……
すると七菜美がこっちを向いて
「頑張ろうね!」
と言ってくれた。
あれ?俺行進好きかも!
七菜美が横にいるため、かっこ悪い姿は見せたくない。
練習だが人生で1番の行進をしていく。
何分かは分からないがひたすら行進をし、一旦休憩時間となった。
水筒の水を飲んでいると、
「春樹〜授業中にイチャつくのはどうかと思うぞ〜」
「確かにな〜学級代表でありながらもイチャつくとは……」
と、秋大と駿介が揃ってそう言ってきた。
「おい、別にイチャついてないぞ!……七菜美にはその気はないだろうし」
「ん〜?じゃあなんで名前で呼んでって言われたんだ?」
「知らん!テストの時はそういう気分だったんじゃないか?」
「春樹マジかよ……」
「駿介分かったろ?春樹これだから……」
「俺はどれなんだ?よく分からんが、バカにされていることだけは分かるぞ?」
先生が集合の合図をかけたので、元の場所に走っていく。
なんなんだよほんとに……
それから行進の続きと、ラジオ体操を少しやり、暑っつい中行った練習1日目は終わった 。
~あとがき~
いつもありがとうございます!
これからは体育祭がしばらく続く予定です!
お楽しみに!
これからもよろしくお願いします!
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