獣色

白のカーテン 風うけて

ひらひらと

小春日和の空の下

見上げる彼女は

子猫を抱いて


たなびく白雲

渡る空

黒い瞳は何を見た

4つの瞳その先は

鈍く輝く闇の色


透く羽 薄く頼りなく

短し命 業火にかえて

飛び行く空に 輝く

蜻蛉


茜さす君に紅

洗礼を

胸刺す切っ先 水晶の

せまりくる景色

緋(あけ)と漆黒


萌黄色した 樹下で

しくしくと

泣き濡れた 彼(かの)人の

頬をぬぐうは

彼女と子猫


透く羽 薄く頼りなく

雫をさけて 雨宿り

とまる枝葉に 誘う

蜻蛉


手をとりて

逝くか戻るか ケモノミチ

先は果て無き ケモノミチ

魂の讃歌

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