第2話 ルーティーン

渋谷、外に煙が立ち込める焼き鳥のお店

18時30分

これが、いつもの待ち合わせ


待ち合わせのときの彼は一層輝いてみえる

この時だけは10歳の差を感じる

すらっと高い背に

計算しつくされた紺色のスーツ

生地がなめらかなチーフ



「ごめん、ちょっと遅くなっちゃた」

「大丈夫だよ、もう少しで席があくから」



常連の方はささっと食べてすぐに席を立った

若い女性は初めてきたから楽しみたいとばかりに色んな串を注文している



席つき、注文をした

「日本酒2合」

「ささみ」

「2本」

「ハツは1本」

何でもわかってくれている心地よい関係


飲み終わる頃には隣席の常連の方と仲良くなっていた

「お先に失礼しますね」

「早く子供を作りなよー」

「はーい」



店を出たあと、彼と笑い合った

「子供は早い方がいいよね」


そして道玄坂の上に消えていく



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