片思い二年生

楽園ロング

1日目

今日から晴れて高校二年生に進級した。1年1学期に単位を一つだけ落としていたが特進コースに入れた。文系特進コースは1クラスのみで3学期ぐらいには誰と一緒かわかっていたのであまりクラスメイトが誰かとかは気にならなかった。ただ一つだけ....僕の片思い相手が同じクラスなのかということを水面下でサーチしていたが正確な情報が得られなかった。それだけ少し気になりながら駅から歩いているとあっという間に学校に着いた。下駄箱に自分の靴と上靴を入れ替えて見に行ってみたがなんせ電車通学生徒が2年生だけで学年の半分は居るから行列ができていた。なんとか自分の名前と教室と担任は確認できたが、その人の名前はわからなかった。そのまま指定された教室に行ってみた。教室に入って辺りを見渡してみたがその人が見当たらない。おそらく理系特進に行ってしまったのだろう。席に座ると前後ろ横を見ると数少ない友達が話しかけてきた。雑談をしているとチャイムが流れ担任が入ってきた。新学期の諸連絡だけ聞きその日は下校となった。

 駅のホームに着くとその人は電車を待っているようだった。無闇矢鱈に声を掛けると変態認定されてしまうのでそのまま通り過ぎホームの奥へと向かって歩いて行った。因みにだが僕とその人との接点は何一つない。去年は同じクラスだったが接点は何も無かった。多分僕の名前は覚えてはいないだろう。なんで接点もないのに好きになったのか気になる人に説明してみる。その人と会話したことが1回だけある。その時になんとも言えない優しさを感じた。その優しさに惹かれたのも一つだ。もう一つ、それはサラッサラの黒髪の人だからというのもある。黒髪、それはなんとも言えない奥ゆかしさを感じる。変態だ!と思われるが黒髪の人の似合う人を見ると見とれてしまったりすることも多々ある。そんな黒髪を持っていてしかも優しいというのは自分の癖にマッチするような人である。それで知らないうちに好きになっていたが、接点はほぼゼロ。しかも同じクラスではなさそうなので終わったと僕は悟った

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