とある小国と風の神様(2/3)


 昨日は種もみを贈った。今日は水源を浄化する石を贈った。谷に産まれた赤ん坊たちも、布に包んで皆、贈られてしまった。

 度重なる災害に狂った王は、逆らう者は全て殺し、大切なものをひたすら神に贈り続けた。そうすればいつか、かつての幸福が蘇ると信じていた。

 谷を流れる風に、今日も、色彩が乗る。

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